年間20~30件の住宅建築を手がける工務店E社では、近年、家づくりにおける他社との差別化が大きな課題となっていた。E社ならではのオリジナリティのある家づくりを模索するなか、「個性的な家づくりをしたい」という施主と出会う。自社の特徴を打ち出す絶好の機会だが、思いのほか苦戦を強いられることとなった。
エクステリアも含めて、個性的な家づくりを依頼され、商品選びに苦戦…
施主の希望は、「他の家とは違った個性的な家にしたい」というもので、他社との差別化のため個性を打ち出したいE社にとっても、ありがたいリクエストといえるものでした。さまざま要望を聞くなかで、とくに頭を悩ませることになったのがエクステリアのコーディネートです。
E社の営業担当A氏によると、
「お施主様は、インテリアはもちろんのこと、エントランスからバルコニーを含めた外観デザインにもこだわりたい、特にカラーコーディネートを大切にしたいということでした。
またバルコニーに関しては、以前の家で苔が生えて異臭がするなどの悪い記憶があったため風通しをよく、小さな子どもがいるため、安全な高い手すりが必須というリクエストもありました」
とのこと。

苔の生えたバルコニー
住宅のエントランス周辺には玄関ドアがあり、ひさしがあり、門扉やポストも必要です。
さまざまな資料やカタログを見るものの、数ある商品のなかから施主が納得できるような統一感のあるコーディネートを提案できるエクステリア商品がみつからず、A氏は頭を悩ませていました。
バルコニーに関しては、風通しのよさと安全な形状・高さ(基準寸法の110㎝+α)を両立させるのに苦戦を強いられています。
さらに一般的に複数の業者が施工に関わる駆体式バルコニー工事には、管理の面での苦手意識もありました。

躯体式バルコニーの施工
- 安全のためには壁で覆う形のバルコニーにしたいが、それでは風通しが悪くなってしまう
- 統一感のあるデザインのエクステリア商品が見つからず、満足のいく建物とエクステリアのコーディネートができない
- 躯体式バルコニーは複数業者が関わるため、監理に手間がかかる