背景
都内の狭小地で、3階建の木造住宅を新築することとなったI社。施主は自家用車を持っているため、1階はインナーガレージ、2階3階は居住空間という、都市部では一般的なプランを考案していた。しかし、3階建てで耐震等級3を確保しようとするとインナーガレージの間口が施主の要望より狭くなってしまうため、頭を抱えていた。
狭い間口を最大限に活用するには?
I社の営業N氏は、狭小地の木造3階建の提案に慣れていたこともあり、今回もいつもどおり、設計部から上がってきたプランをお客様に説明していました。居住スペースは気に入ってもらえたものの、「ガレージの出入り口、もっと大きくなりませんか?運転が得意な方ではないものでして。あと耐震も強くできたら」という施主の切なる願いに、どうやったら対処できるだろうと悩んでいました。

都市型狭小3階建て 耐震等級1プラン 平面図
敷地が狭いため、耐震のための壁をつくると、インナーガレージの有効開口が狭くなってしまうのはN氏も理解しています。これを機に、耐震についてよく調べてみることにしました。すると、震度7のような大地震が発生した際、建築基準法の耐震等級1では、命は助かるものの家は壊れてしまうことが判明。
大地震が起こっても、家が壊れず住み続けることができる「耐震等級3」を目指すのが一般的になりつつあることを知るのでした。
さらに、高耐震で大開口を実現しようとすると、在来工法ではない特殊な工法が必要となり、コストアップは避けられないことも分かりました。
課題のポイント
- 敷地が狭く耐力壁をつくるとインナーガレージの有効開口が狭くなる
- 大開口でも大地震に耐えうる耐震等級3を実現させたい
- コストや手間をかけずに高耐震にする