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2020/03/06 11:16 - No.721


第21回 計算方法と強度ランクの関係


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「構造塾」佐藤実氏の『本当にヤバイ木構造の話 ~これからの木造住宅の耐震性能』
佐藤 実

2020/03/06 11:16 - No.721

 
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木造住宅の安全性確認方法

木造住宅の構造安全性確認方法(計算方法)は、建築基準法 構造計算(許容応力度計算)、品確法 性能表示制度(耐震等級計算)、建築基準法 仕様規定があります。

建築基準法 構造計算(許容応力度計算):木造3階建て、延床満席500㎡超
品確法 性能表示制度(耐震等級計算):長期優良住宅、性能評価住宅
建築基準法 仕様規定:基本、全ての木造住宅

構造計算が詳細計算で安全性レベルが高く、仕様規定が簡易計算で安全性レベルは低めになります。



強度ランクについて

強度ランクは「耐震等級」で表すことがでます。

耐震等級1:建築基準法で規定している耐震性能
耐震等級2:建築基準法で規定している耐震性能の1.25倍の耐震性能
耐震等級3:建築基準法で規定している耐震性能の1.50倍の耐震性能

この耐震等級は品確法の性能表示制度、耐震等級計算にある考え方で、構造計算(許容応力度計算)は詳細な計算方法なので耐震等級の考え方を用いて、地震力を1.25倍で計算した場合を耐震等級2、地震力を1.50倍で計算した場合を耐震等級3と呼んでいます。

しかし、仕様規定では壁量計算、四分割法、N値計算など壁量に関係する設計がメインで、部材や基礎など建物全体での安全性確認をしていないため耐震等級1はあっても、耐震等級2、3は存在しません。必要壁量に対して存在壁量が1.25倍あっても、1.50倍あっても耐震等級2、3とは呼べません。

 
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佐藤 実
株式会社M's(エムズ)構造設計

1968年新潟県生まれ。1990年東北工業大学工学部建築学科卒業。㈱佐藤住建を経て、2006年㈱M’s構造設計設立、現在に至る。2010年東京大学大学院修了。2010年「構造塾」を設立、木質構造に関するセミナー、構造計算技術者育成講座を開催。著書に、最高に楽しい木構造入門(エクスナレッジ)、楽しく分かる!木構造入門(エクスナレッジ)がある。

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