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2020/03/27 08:28 - No.738


第8回 熱の伝わり方(4)


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省エネのキホン
堤 太郎

2020/03/27 08:28 - No.738

 
S1200x600 s1200x600 s1200x600 no8前回は、「熱移動」を現象として実感できる以下の4種類を、実際にサーモ画像で見てみました。◆熱伝導(ねつでんどう)◆対流熱伝達(たいりゅうねつでんたつ)◆熱放射(輻射)(ねつほうしゃ・ふくしゃ)◆相変化を伴う熱移動(そうへんかをともなうねついどう)これらは身の周りで当たり前に存在する現象で、かつ単独ではなく、組み合わさって同時に起こる現象でもある、ということがお分かりいただけたかと思います。今回は、これらの現象が実際に室内で人体にどう影響しているかを、より詳しく見ていきましょう。■熱が伝わる「原因」まずは、おさらいから。熱は「常に高い方から低い方へ伝わる」とお伝えしました。「熱力学第二法則」の「熱の不可逆性」から導き出される原理です。身の周りで言えば、エアコンやエコキュートなどで採用されているヒートポンプ等の何らかの技術を導入しない限り、逆はあり得ません。そして、もう一つ。熱は「平衡するまで常に拡散を続ける」というものです。身の周りに、温度が高い(熱エネルギーが多い)熱源(固体・液体・気体は問わず)があるとします。その熱源からは、周囲の温度が低い(熱エネルギーが少ない)すべての物質に向けて熱(エネルギー)の移動(拡散)が起こります。移動の形は、特定の方向ではなく全方位的に、冒頭に挙げた4種類のすべての現象によって、あらゆるルートで拡散していきます。そしてその移動(拡散)は、温度差が完全になくなる状態、平衡(つり合った)状態になるまで続きます。(厳密には「熱平衡である」とは閉じた系内部の状態ですが、ここでは「そのような性質がある」というイメージでとらえてください)たとえば元の温度を保ちたいという事で、その熱源を保温箱に入れたとします。その温度をどれだけの時間保つことが出来るかは、熱 ..
 
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堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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