こんにちは!ともこ@住宅ライターです。このコンテンツは、これからリノベーション事業を展開される工務店さんにおすすめです。
さて、新年早々おもしろい話が舞い込んできました。それは、YKK APの社員さん夫婦が、「中古マンションを買ってリノベーションする」というではありませんか!
なぜYKK APの社員が当初新築戸建を考えていたのに、中古マンションの購入を決意したのか?こちらのシリーズを通じて工務店の皆さまにとっても、リノベーションをお客様への提案の選択肢の一つとして持つことの価値が伝わればと思います。
で、まず私は聞きました。誰もが気になるであろうことを。
「内窓、付けるんですよね?」
「実は、もう付いてたんです笑」
そんなことある!?記事として、内窓付けて良かったよね~というオチにするのかと一瞬想像しましたが、すでに内窓付きの物件。逆にスゴイです。A-PLUGライターとして興味津々すぎます。
ということで、なぜ「中古マンション購入+リノベーション」をしようと思ったのか?ややこしい「資金計画」のことなど聞いてみました。
コロナの影響も大きいマイホーム計画!リノベーションの意外な発見があるかもです。それでは、前編のスタートです。
AP社員ご夫婦のご紹介
西宮貴央さん・麻衣子さん、ご夫婦ともYKK APの社員さんです。ご一家は、お子さんが2人の4人家族です。
とくに、貴央さんがリノベーションの事業部へ移動されてから“リノベーション”というワードが、さらに身近な存在になったそうですよ。
中古マンションの概要
まずは、西宮さん一家が購入されたという中古マンションの簡単な物件概要を紹介します。既存の平面図とイメージパースを見てみましょう。※イメージパースは、分譲時のカタログからの転載です。
こちらは、首都圏に建つ、RC造5階建てのマンションです。
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築年数/32年
居住専有面積/約80㎡前後
既存間取り/3LDK
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JRの駅から徒歩7分。サービスバルコニーとルーフバルコニーのあるペントハウスです。
以前お住まいの方は、実は建築関係の方だったそうです。数年前に水回りなどのリフォームがされており、大切に住まわれていたご様子。そういった背景もあり比較的きれいな物件に巡り合えたようです。
西宮家の決断
ここからは、対談形式でリアルな声をお届けします。
ともこ「早速ですが、家を買うきっかけはなんでしたか?」
貴央さん「コロナの影響でテレワークになって、夫婦ともに在宅勤務になりました。賃貸マンションで2人とも家で仕事となると、生活エリアが4人家族で1LDKになってまして。めちゃくちゃ手狭になったのは理由として大きいですね」
麻衣子さん「それで、2020年の5月頃から本格的に探し始めました。上の子も来年には小学生になるので、いいタイミングだったと思います」
コロナでライフスタイルが激変した一家。きっと、こういうご家庭は多いですよね…
コロナがキッカケの住み替え検討については、中でも首都圏での中古マンション、中古戸建への住み替えが増加してきていることが東日本不動産流通機構のレポートでも明らかになっており、中古マンション、中古戸建の成約状況は共にコロナショックの4月以降は右肩上がりの傾向が続いています。
(参照元:公益財団法人 東日本不動産流通機構「月例速報Market Watchサマリーレポート2021年1月度」)
また、「広さ」の点では実際にリクルート住まいカンパニーからの発表にもある通り、在宅勤務による「広さ重視」の方が増えているようですね。
コロナの影響で、一般の方々の住まいに求めるものが変化してきているのは確かなようです。
続けて聞いていきましょう。
ともこ「このマンションは、どのように探しましたか?」
貴央さん「毎朝、日課のように不動産情報サイトを見てました。広さの感覚を掴むために、どこか見学へ行こうと思っていた日があったんですね。その日の朝もサイトを見ていたら、このマンションがポンと上がってきて。すぐ不動産屋さんへ連絡して、内覧して、即決しました」
最上階なので、天井がアーチ状になっている珍しい物件
麻衣子さん「変わったマンションだったんですが、造りもしっかりしていたし、条件も整っていたので」
ともこ「即決ですか。すごい勇気です」
中古マンション購入のコツ
西宮さん夫婦は、「即決」することとなりましたが、なぜそこまでの決断を下したのでしょうか。
ともこ「西宮さんご夫婦が中古マンションを購入するための条件はどんなものでしたか?」
麻衣子さん「70㎡以上の広さと、駅から近い。子どもたちが通う小学校の評判と通学距離は大事でした」
ともこ「なるほど。条件に合っていたので購入に至ったと。でも、そんなに焦らなくても良かったのでは?」
貴央さん「そうなんですよね。ただ、僕らが見学したあとに2組予約が入っていましたし、条件も悪くなかったので。ここで判断が鈍ると、取られてしまう!と感じました」
当時を振り返りながら語る西宮さん夫婦
ともこ「勝負に出たわけですね。価格交渉はされましたか?」
貴央さん「前の方が残していったカーテンやブラインド、エアコンの既存撤去等をこちらで対応するということで、多少値下げをしてもらいました」
ともこ「そういった交渉術も必要なんですね」
貴央さん「あと、中古マンションは、一点物感が強いと思います。なので粘り強く探すのと、ある程度条件が揃っていたら買う。というのはポリシーとして持っていました」
ともこ「まるでドラマですね。それでも、妥協した点もあるのではないですか?」
麻衣子さん「宅配ボックスは諦めましたね~(笑)築32年だから仕方ないと」
貴央さん「そうだね~でもまあ、新耐震基準の建物だからいっか!って折り合いをつけました」
ともこ「折り合いの付け方が業界人」
なぜ中古マンションリノベ?
建築業界に身を置く西宮さん夫婦。新築戸建てでも新築マンションでもなく、なぜ中古マンションリノベを選択されたのでしょうか。
ともこ「家を買うとなったとき、注文住宅などは検討されなかったのですか?」
貴央さん「はじめは新築戸建ても考えましたが、住まいの広さは在宅勤務において重要ですが、ある程度㎡数が多いマンションとなると販売価格が高くなる新築マンションではなかなか出てこないのと、首都圏に住んで車を持たない生活で考えると駅から近いのは優先順位が高かったですし、予算も抑えられるので、中古マンションリノベに絞っていきましたね」
麻衣子さん「予算以外にも、この地域は水害の心配があったので、地上3階以上が良かったんです。安全面も精神衛生的にも、マンションになっていきました」
ともこ「具体的ですね。市場価格はどのくらいですか?」
貴央さん「だいたいですが、分譲新築戸建で約5,000万円中盤~後半ぐらい。新築マンションで10㎡以上小さくて駅からの距離が同じぐらいだと約7,000万円前後です。うちが物件と工事費もろもろトータルで分譲新築戸建よりも数百万円は安いです。あと新築戸建は、徒歩10分以上になってしまいがちでしたし」
ともこ「言うまでもなくですね」
貴央さん「リビングはこれから断熱工事をするのですが、マンションは気密が高いので、性能も上げやすいですしね」
ともこ「それに、すべて内窓も付いてましたし?」
実際に取り付けられている写真です
貴央さん「プラマードU、Low-E複層ガラス(断熱タイプ)ニュートラルです」
麻衣子さん「ラッキーでした!」
いやはや引きが強いご夫婦です。
まとめ
やっぱり正解!?中古マンションリノベ。AP社員の実録第1回、いかがでしたか?
中古マンション購入+リノベーションを選択されたお話、なるほど納得という印象です。コロナをきっかけに多くの方が従来とは違う住まい方を選ぶようになってきているのではとあらためて強く感じました。
さて、第2回では、「資金計画」についてお届けしたいと思います。
現在、マンションは工事中だそうです。ピーク時には、なんと5箇所の担当者さんと話を勧めていたとか!どうぞお楽しみに。
ともこ@住宅ライターでした。