◆はじめに当連載記事では、筆者である私自身の自宅マンションでの経験はもちろん、管理組合を対象とする「コンサルティング」や「顧問業務」などを生業にしているマンション管理士として経験とノウハウ、昨今の業界の動向などをテーマに取り上げ、マンション管理に携わる皆様に役立つ情報を提供していきたいと思います。今回、連載記事8本目では、「マンション管理組合の会計収支に間違いが多いワケ」という記事テーマでお送りします。◆管理組合の会計は「企業会計原則」にもとづくのが一般的マンション管理組合における日常の会計処理は、複式簿記を活用しながら以下の「企業会計原則」にもとづいて処理されるものとしています。1. 発生主義の原則発生主義とは、「すべての費用及び収益はその支出及び収入にもとづいて計上し、その発生した期間に正しく割り当てられるように処理する」というものです。たとえば管理組合の決算が3月末の場合、3月中に実施した修繕工事は、たとえその支払いが済んでいなくても今期の費用として計上する必要があります。(その場合、貸借対照表の負債として「未払金」を別途計上します。)また、区分所有者が納付する管理費に滞納が発生している場合、決算を締めるまでにその入金がなくてもその年度の収入として計上します。(その場合、貸借対照表の資産として「未収金」を計上します。)2. 2つ会計(一般会計・修繕積立金会計)区分収支決算案は会計区分ごとに作成します。会計区分は、通常、管理規約に特別の定めがない限り、一般会計と特別会計(修繕積立金会計)に区分されています。これは、たとえば、一般会計が赤字に陥った場合でも特別会計から安易に資金を融通するような「丼勘定」的な会計処理を許容しないためです。こうした会計処理を含め、管理組合の日常の ..
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