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2024/04/30 09:00 - No.1393


第30回 10分でわかる!管理会社による「第三者管理方式」導入の注意点


知らないと損する!マンション管理組合の現場レポート
村上 智史

2024/04/30 09:00 - No.1393

 


はじめに

当連載記事では、管理組合を対象とする「コンサルティング」や「顧問業務」などを生業にしている "マンション管理士としての経験とノウハウ" をもとに、昨今の業界の動向などをテーマに取り上げ、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供していきたいと思います。



近年、既存マンションにおいて、管理組合の役員の成り手不足や居住者の高齢化等を背景に、マンション管理会社が区分所有法上の「管理者」(理事長)として選任される「第三者管理方式」の事例が増えています。

一方、「第三者管理方式」は、その運営方法によっては、区分所有者の意思から離れた不適切な管理、管理業者に支払うコストの増加などの利益相反等が生じるおそれがあります。そのため、管理者の選任や業務の監督等を適正に行うことのできる体制の整備が必要です。

そのため、国交省は、「管理会社による第三者管理方式」に関する留意事項を示したガイドラインを整備すべく、昨年10月に「外部専門家等の活用のあり方に関するワーキンググループ」を設置し、検討を開始しました。

このガイドラインの内容が概ね確定したため、重要なポイントを中心にご紹介します。


「理事会方式」と「第三者管理方式」の違い

分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者全員の代表者として、建物および敷地等の管理を行う権限を有する者を「管理者」と言います。

区分所有法上では、管理者に関する資格要件は特に定めがなく、区分所有者以外の外部からの選任も可能です。

しかしながら、国交省が公表している「マンション標準管理規約」では、管理組合自治主義の考えにもとづき、区分所有者から役員を選出のうえ理事会を設置し、組合の運営業務を担うことを想定しており、その理事長が管理組合の代表として管理者の役割を担うものと定めています。

これを「理事会方式」と呼びます。

その一方で、管理組合の運営には一定の専門知識が求められること、また昨今の高齢化等に伴う役員の成り手不足の深刻化を背景に、マンション管理会社が「管理者」を兼ねる運営方式のマンションが増えています。

このように区分所有者以外の人間が管理者に就任するスキームを「第三者管理方式」と呼びます。

 
村上 智史
株式会社 マンション管理見直し本舗

株式会社 マンション管理見直し本舗 代表取締役社長 村上智史 東京都マンション管理士会所属 マンション管理士・中小企業診断士・宅地建物取引主任者 1964年京都府出身。早稲田大学商学部を卒業後、1987年4月三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事したほか、投資顧問会社出向等を経て2013年3月退職し、同年4月より現職。

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