◆環境問題に積極的な若年層。
◆SDGsの認知率、サステナブルな購買行動で高めの傾向
博報堂の「生活者のサステナブル購買行動調査2021」によると、若年層ほど環境問題に対する関心が高い。
「SDGs」について「内容まで良く知っている」+「内容をある程度知っている」(認知率)の解答は28.8%と3割弱であり、2019年の調査から20ポイントも増加した。
「名前を聞いたことがある」人まで含めた知名率は55.2%と半数以上となり、 2019年調査から倍増した。
年齢別にみると、10代では認知率47.5%、知名率69.9%、20代では認知率37.4%、知名率63.3%であり、学校教育などによって若い世代を中心にSDGsの認知・理解が進んでいる。
また、「ミニマル」、「ロングライフ」、「サー キュラー」というサステナブルな購買行動の傾向は、前回調査と比較すると全体の傾向に大きな変化はみられないが、「物を買う時には必要最小限の量だけを買う」が4.3ポイント増、 「新品を買わずに借りたりシェアしたりする」が2.5ポイント増。調査では「コロナ禍で、自宅で過ごす時間が増え、物を減らしたいと考える人が増加している影響」と見ている。
年代別でみると、こちらも若年層が注目される。
「不要になったがまだ使えるものは人に あげたり売ったりする」は女性10~30 代で7割以上、「新品を買わずに中古品を買う」は男性10~20代で約5割、「新品を買わずに借りたりシェアしたりする」は男女10~20代で3~4割と、それぞれ全体の数値より10ポイント以上高くなっており、「サーキュラー」や「シェ ア」に関する行動の実施率は若い世代ほど高めの傾向が出ている。
こうした若年層は、社会・環境問題について自ら情報発信したり、社会をより良くするための活動に参加する人が多い。「あなたは普段の生活の中で、以下のような行動をどの程度していますか」と社会問題に関する行動の選択肢を示したところ、「社会問題についてテレビ、新聞、雑誌、書籍などを通じて知る・学ぶ」 が約6割とトップで、「社会問題について家族 や身近な人たちと話し合う」、「社会問題について詳しい内容や他の人の意見をインター ネットで調べる」が約4割で続いた。
年代別にみると、男性10~20代や女性10代が全体的に高めの結果となった。「社会問題を取り上げた記事・投稿をSNSなどで共有する」、「社会問題について自分から情報発信する」といった自発的な情報発信行動や、「政府 や自治体等への働きかけを行う」、「クラウドファンディングで参加する」などで全体よりも10ポイント以上高くなった。
日常的に SNSなどに親しんでいることに加え、「各種メディアを通じてグローバルで社会・環境問題に関して声をあげる同世代の姿を目にしていることなどが、自発的な行動に影響しているのではないか」と分析されている。
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2022.01」
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