◆新築着工は2040年度に49万戸
◆リフォームは7~8兆円で推移
野村総合研究所(NRI)は、「2022~2040年度の新設住宅着工戸数」、「2021~2040年度のリフォーム市場規模」、「2019~2040年の既存住宅(新築以外の住宅) 流通量」を推計・予測した。
推計によると、新設住宅着工戸数は21年度の87万戸から、30年度には70万戸、40年度には49万戸と緩やかに減少していく見込み。
今年度の着工戸数は84万戸を予想、23年度には87万戸に盛り返すと予想した。しかし、ウクライナ侵攻や、新型コロナウイルス感染拡大に伴う供給制約が、 昨年のウッドショックと同程度の影響を及ぼした場合は22年度に80万戸、23年度に79万戸に落ち込むとする。
いずれにしても、コロナ禍によるライフスタイルの変化が定着すると想定した場合、40年度に向けて緩やかな減少を続ける。
一方、耐久消費財やインテリアの購入費を含めた広義のリフォーム市場は、40年まで7~8兆円で微増ないし横ばいで推移、狭義の市場はそれよりも1兆円前後少ない規模を予想する。
また、既存住宅流通量は18年の16万戸から、30年には19万戸、40年には20万戸にまで増加するとの予測だが、新築の減少分を補うほどの規模にはならないとみる。
NRIは、良質な住宅ストックの活用はSDGsの観点からも重要性は増しており、居住者がライフスタイルの変化に合わせて、住み替えやすい・リフォームしやすい環境づくりは継続しつつ、非住宅への転用促進など、新たな観点も取り入れた創意工夫が必要だとまとめている。
予測結果は、国土交通省の21年度・新設住宅着工(86・6万戸)と前回NRI予測(85・9万戸)との差(プラス0.7万戸)や、移動世帯数(21年414万↓30年384万、40年340万世帯)、住宅ストック平均築年数(13年度の築22年↓30年度の築29年、40年度の築33年)、新型コロナウイルスやウクライナ侵攻で変動した名目GDPといった住宅着工に大きく影響を与える因子をもとに集計した。
[ご紹介]
YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2022.10」
メディアレポート(2022.10)のPDFを閲覧したい方はコチラから
また、メディアレポートのバックナンバー一覧はコチラから