◆戸建て注文住宅でZEHがおよそ3割に
次世代ZEH+やZEH+の比率が高まる
2022年9月(一社)住宅生産団体連合会が、「2021年度戸建注文住宅の顧客実態調査」を取りまとめ、公表した。同調査によると、戸建注文住宅を建設した人が、検討段階でZEHにするかどうかを「検討しなかった」は43.9%で最も多かったが、前年度比で7.7ポイント減と大幅に減少した。
一方、「ZEHにした」は同6.5ポイント増の27.9%でおよそ3割に迫るなど大きく伸長。「検討は行ったが、ZEHにしなかった」の24.4%を初めて上回るなど、検討の末にZEHを選ぶ顧客が増加しており、ZEH住宅への関心の高まりがうかがえた。
ZEHにした顧客、あるいは検討したがZEHにしなかった顧客が、申請・検討したZEHの種類をみると、「ZEH」が41.9%と最も高く、次いで「ZEH+」が19.7%、「NearlyZEH」が20.%、「次世代ZEH+」が8.7%、「Nearly ZEH+」が4.5%、「ZEH Oriented」が3.7 %、「LCCM住宅」が1.0%、「ZEH+R」が0.1%となった。
昨年度よりZEHの割合が17.4ポイント減と大幅に低下し、その分、次世代ZEH+が同8.7ポイント増、ZEH+が同3.8ポイント増、Nearly ZEH+が同5.2ポイント増と増加している。
一方、ZEHへの関心が高まるなか、ZEHにしなかった理由をみると「スケジュールが大きく変わってしまう」が45.3%、「掛かり増し費用が高いと感じたから」が22.4%となったほか、「メリットをあまり感じなかったから」が7.0%、「ZEH基準への適合が物理的に困難」が6.7%と続いた。昨年度から数値や傾向に大きな違いは見られず、普及にはまだまだ課題も多く感じられる結果となった。
なお、同調査は東京圏、大阪圏、名古屋圏の3大都市圏に加え、札幌市、仙台市、広島市、福岡市、静岡市の地方都市圏で行った。有効回答数は3,420件で、そのうち住団連企業会員は13社2,631件、団体会員は5団体789件。世帯主平均年齢は39.9歳、世帯平均年収は993万円であった。
また、同調査では注文住宅全体に占める認定長期優良住宅の割合も公表しており、昨年度は86.3%を占めた。この10月から長期優良住宅の認定基準が断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6と、ZEH水準に引き上げられたが、これがZEHの普及にどれほど効果をもたらすのかにも注目が集まる。