当連載記事では、マンション管理士として豊富な経験と実績を持つコンサルタントが、管理組合が抱える様々な問題やお悩みを解決した事例、あるいは関係法令等の改正を含め管理組合にとって影響の大きい昨今の業界動向などをテーマに、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供してまいります。筆者が管理組合の顧問として今年で満10年を迎えるマンション(築27年目)が、管理コストおよび修繕費の適正化、共用設備の変更によって財政状況を改善したプロセスをご紹介します。<顧問先マンションの概要>■延床面積 :10,076 ㎡■構造・階数:鉄筋コンクリート造 地上6階 地下1階■総戸数 : 90戸(ファミリータイプ)■竣 工 :1998 年 3月■駐車場 :90台(うち機械式設備:86台)→ その後一部撤去・平面化1.管理コストの適正化コンサルティングに着手した、第17期時点での当組合の財政状況は、管理費会計・修繕積立金会計ともにかなり逼迫していました。(下表参照)月額平均の収益合計額(上表のD=約214万円)に対し、月額平均の経常的支出(上表のF)もほぼ同額のため、収支差額の「安全余裕率」(上表のH=0.2%)もほぼゼロに近く、「収支トントン」の状況であったことがわかります。<修繕積立金会計(第18期末時点)の財政状況>また、修繕積立金会計も、当時の修繕積立金を維持した場合の手元資金(上表のBとCの合計)が、長期修繕計画で見込んでいる修繕費(上表のA)に対して4割近い資金不足となるため、これを解消するには修繕積立金(月額@200円/㎡)を同@355円/㎡にまで引き上げなければならない状況でした。筆者が管理委託契約を査定したところ、経常支出において最も比重の高い管理委託費がかなり割高な水準にあっ ..
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