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2025/05/30 08:00 - No.1493


第3回 20~30年後の世界を見据えた設計


20~30年後の世界を見据えた設計
太田 周彰

2025/05/30 08:00 - No.1493

 


現状、戸建て住宅で断熱計画を考える場合は冬をメインに設計していることが多いと思いますが、今後は温暖化がますます進み温度の上昇が見込まれることが分かっています。これを踏まえると、冬だけに目を向けるのではなく、今後の温度上昇も意識した断熱計画が重要になってくると考えられます。本連載では、その将来性を考慮した設計についての検討を行います。


前回は、暖房や冷房の負荷がどのように変わるのかについて検討しました。ただし、この負荷については湿度の概念が含まれておらず、概ね温度についてのみの検討でしたそこで、今回は将来的に湿度がどのように変わると予想されているのかを通して、設計のあり方を検討したいと思います。

今回もゼネコンの株式会社竹中工務店が開発した将来気象データMet.box ※1の2060年のデータと建築設計用気象データArchi Climate※2の2011年から10年間の標準年のデータを利用して検討していきたいと思います。

※1:データは公開されており、以下リンクからダウンロードページにアクセスできます。
将来気象データMet.box
https://www.takenaka.co.jp/news/2024/07/06/

※2:建築設計用気象データArchi Climate
https://climate.archlab.jp/


人は湿度をどうやって感じるのか?

そもそも、我々人間は湿度をどのように感じ取っているのでしょうか?我々人間には湿度を直接感じ取る器官が存在しません。(ゴキブリやナナフシといった昆虫には、湿度を感じ取る器官が存在するとされています。)ですので、「蒸し暑さ」や「乾燥感」と言った感覚は、別々の器官で受け取られ、割と複雑な仕組みで感じ取っていると言われています。今回は、将来更に増えることが懸念されている絶対湿度について検討したいので、「蒸し暑さ」について焦点を当ててみましょう。

 
太田 周彰
株式会社 住宅みちしるべ

株式会社住宅みちしるべ一級建築士事務所CEO(MBA/工学博士/一級建築士/安田女子大学理工学部建築学科 講師) 株式会社一条工務店にて住宅の研究開発に携わり、全館床暖房を開発。 株式会社住宅みちしるべ一級建築士事務所を設立し、代表取締役を務める。省エネ設計やパッシブ設計を中心とし、多数の戸建て住宅設計を手掛ける。 近畿大学建築学部非常勤講師として10年以上に渡り、住宅設計や設備、施工、建築環境に関する講義・演習を担当。エネマネハウス2017では近畿大学チームの設備WG統括として参加し、優秀賞、エネルギー健闘賞、People Choice Award受賞に貢献。 MBA取得後、住宅における技術経営コンサルを行い数社のコンサルや顧問を歴任。 研究者として機械学習やAIを利用した分析を主とし、体に健康的な寝室環境を解明し、博士号を取得。 空気調和衛生工学会 省エネルギー委員会委員並びに住宅・住宅街の省エネルギー技術研究小委員会幹事を務める。

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