今、世界中で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進められています。ようやく日本でも「環境負荷ゼロ」や「CO2排出ゼロ」の目標を掲げる企業が増え、政府により「2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%を実現する」という方針が定められています。そうした流れの中、どんな家づくりを進め、どのように売っていくべきか、経営方針に頭を悩ませている工務店もいることでしょう。実際、脱炭素社会に向けた新たな家づくり、経営をしていかないと、今後を生き抜いていくことはできません。
なぜ今、経営転換が必要なのか?そのためには何をすれば良いのか?本連載でお伝えしていきます。
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◆日本には家がたくさん余っている!?
新築住宅が値上がりしています。マンションは90年代バブル期の平均価格を超え、戸建て住宅の価格も2020年以降上昇傾向にあり、いまのところ止まる気配はありません。コロナウイルスの流行に起因するウッドショック、ウクライナ侵攻、そして現在の円安、とさまざまな要因が続きました。木材価格の上昇は一旦落ち着きを見せていますが、すぐに住宅価格が下がるということはないでしょう。
新築住宅は、誰にでも買えるものではなくなってきました。
しかし新築住宅を建てなくても日本には中古住宅が有り余っています。総務省「住宅・土地統計調査(2018年)」によると、住宅ストック数・約6240戸に対し、総世帯数は約5400世帯。住宅の数が世帯数を上回る、つまり住宅が余っている状態です。さらに住宅ストックのうちの14%ほどが、空き家なのです。
空き家の総数は、この20年で、576万戸→849万戸と約1.5倍に増えています。
これを活用しない手はありません。
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