【Renovation Journal特別編集より】● 「福岡 橋本の家」 _「普通の家」を普遍的な技術で次代に引き継ぐ全国どこにでもある新耐震基準元年に建てられた家に対して普遍性の高いやり方で性能向上を試みた事例。耐震・断熱改修の手法を中心に見ていく福岡市の中心地に近い住宅街に建つ築36年の木造住宅のリノベーション事例。周辺には同時期に建った住宅が並び、世代交代の時期を迎えている。こうした普遍的な木造住宅を次代に引き継ぐためには、地域工務店で対応できる手法の確立が重要だ。そんな思いからこの事例では、特殊な資材や建材を使わず汎用性の高い手法でリノベーションすることにこだわった。■ 改修後の矩形【建物概要】 建築地:福岡県福岡市 既存竣工:昭和57年2月 構造:木造2 階建て 敷地面積:182㎡ 延べ床面積:99.77㎡■ 改修後の平面既存の外観。2 階の「乗り」が悪く、柱や壁の位置が1階とずれている既存のキッチンの様子既存の和室の様子施工中の2 階の居室。一部の梁をあらわしにしている施工中の現場。ダイニング側からリビング方向を見る。養生しているのは化粧にする既存の柱と追加した化粧柱●直下率を改善するこの建物は新耐震以降に建ったことから、基礎はベタ基礎が採用されており、目立った腐朽やシロアリ被害はなかった。問題は1階の柱・壁と2階の柱・壁の位置がずれており、直下率が低いこと。耐震性を高める上でこれを改善する必要がある。1階の柱は上階の荷重を受けているので抜きにくいため、2階を一部増築しつつ柱や壁の位置を変更して直下率を高めるように考えた。とはいえ構造の合理性だけを考えて構造の多くを改変すると、リノベーションの価値が薄くなる。プランニングに際しては、なるべく既存の間取りを生かしな ..
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