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2021/04/01 09:04 - No.1032


第15回 外皮について(7)


省エネのキホン
堤 太郎

2021/04/01 09:04 - No.1032

 


引き続き「外皮について」というテーマで「省エネのキホン」的考察を進めたいと思います。今回は外皮の熱貫流率の計算について、お話を続けます。

外壁の「熱貫流率」を計算するには

前回は、断熱材ごとに熱抵抗値(厳密には熱伝導抵抗値)を計算して比較してみました。
ポイントのみをおさらいしますと、建物の外皮の熱貫流率U値の算出には、

・部位を構成する材料の「熱伝導率」を把握する
・それぞれの仕様に基づき、個々の「熱抵抗値」を算出する

という準備が必要となります。

繰り返しになりますが、外皮を構成する部材は、
・どのような性質で(熱伝導率がいくらか)
・どのような厚さで
が仕様、物件ごとに決まっているはずなので、それを元にそれぞれの部位の「熱の伝わりにくさ=熱伝導に抵抗する度合い・程度=熱抵抗値の数値」を出してはじめて、実際の計算ができるわけです。

その個々の計算は、
熱抵抗値をR、断熱材の厚さをd、熱伝導率をλとすると、R=d/λ
で簡単に求められると、お伝えしました。

ここで一例として、外壁の仕様が屋外側から
「(外装仕上材)→通気層→耐力壁面材→充填断熱材→室内側石膏ボード」
という構成の場合、外壁の「熱貫流率U(内外の温度差1℃、1㎡当たりの熱損失量、単位はW/(㎡・K)」が図のような計算順序となることを再度確認しましょう。


 
堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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