(前回記事はこちら)最終回となる4回目は、「フレームプラス」の仕上がりを見ていくとともに、普及に向けた今後の課題についてまとめていく。改修後の建物の雰囲気はファサード、インテリアともとても自然に仕上がっている。CLTパネルは仕上がってしまうと木板仕上げとなり、優しい雰囲気を自然と醸し出す。教育施設に向いた耐震改修工法といえる。「フレームプラス」を取り付けた外観だが、こちらは既存の建物の印象とさほど変わらない。「フレームプラス」は柱位置を任意に設定できるので、サッシの障子の割り付けに合わせることで既存の外観に溶け込ますことができる。特に室内側から見たときには、フレームの存在は感じられず、既存の開放感をほぼそのまま保っている。「フレームプラス」はこうした開放性が高い建物と非常に相性のよい耐震改修工法といえる■「フレームプラス」の課題今回の現場で「フレームプラス」の納まりや施工手順などをいろいろと試行した。その結果、いくつかの課題が見えてきた。岡本氏が指摘したのは、①鉄骨造における納まりの標準化、②部材の軽量化、③ボルトの納まり、④コストダウン、の4点である。①については、本来木造を対象に開発された商品であるため、この事例では現場での納まりの検討が必要になった。鉄骨造における納まりを標準化できると、適用できる建物の規模や用途が広がるだろう。②は現状では事前に門型に組んでから躯体に取り付けると4〜5名の人手が必要になるので、もう少し人工を減らしたい。③はボルトが露出する納まりに関しては賛否があるかと思われるが、ボルトカバーのような部材を用意してもよいかもしれない。④は高強度のアルミ材と接合金具を用いているため、アルミ材を主体とすることもあり、現状は1箇所あたり材で908,000円(公表 ..
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