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2022/07/28 13:00 - No.1202


第22回 リフォーム業界将来予測〜リフォーム会社・工務店の未来の姿とは〜


これが今のリフォーム業界トレンド。
金子 裕介

2022/07/28 13:00 - No.1202

 


リフォーム産業新聞の編集長、金子裕介です。当連載では、リフォーム業界の最新トレンドの動向をご紹介します。
第22回は「リフォーム業界将来予測〜リフォーム会社・工務店の未来の姿とは〜」というテーマでお送りします。



帝国データバンクによると、中小の建設業者の倒産が増え始めているといいます。
リフォーム業界は今後どうなるのか、事業者は何をすれば良いのか、こんな相談を受けることが増えてきています。

今回は、リフォーム業界の近未来予測と、リフォーム事業者や工務店は何をすれば良いのかについて、私の考えをまとめました。
※こちらは2022年7月時点の記事です。


近未来予測1:水回りのリニューアル市場はさらに競争が過熱する


1つ目の予測は、リフォーム事業者にとって主力商品といっても良い、水回り設備機器の交換マーケットの競争が、さらに激しくなっていくのではないかということです。

水回りで稼いでいた企業は頭打ち、あるいは、売上減になる可能性があります。
というのもリフォーム業界には多様な業種からの参入が相次ぐ。中でも、水回りの交換需要は最もメジャーな改修で、需要も高いため、各社こぞって営業活動を展開している状況です。

交換というのは、壊れたから取り替えるという需要のことで、価格帯は100万円未満の、キッチン、バス、トイレ、洗面化粧台、給湯器、水栓、食洗機といった内容。
リノベーションや、LDKの空間改修のような「提案型」リフォームとは違い、商品の交換はモノの入れ替えのため参入障壁は低い。だから競争が過熱しやすい。

ちなみに、矢野経済研究所によれば、水回りのリニューアルの市場規模は約1兆5,000億円規模で、全リフォーム市場の23%ほどを占めます。

最近読者からも、こんな声が届きました。

「水回りのリフォームで家電量販店と相見積もりにあるケースが増えてきました。以前は勝てていましたが、最近は負けることもあります。」
この会社は都内でも有力なリフォーム会社です。価格競争力もあり、ベテランスタッフも多く、提案ツールも豊富。にもかかわらず、受注を取りこぼし始めています。

実際、家電量販店の多くが、水回りリフォームに取り組み始めていることは、私の過去の記事でも何度か報告してきたので読んでいただければと思います。

また、家電店以外の大手小売もかなり熱心に水回りリフォームを推進し始めています。例えば、GMS(総合スーパー)のイオンは最近、オリジナルキッチンを売り出したばかりです。


イオンは3種のオリジナルキッチンを販売

・リフォーム産業新聞 イオンリテール、オリジナルキッチン販売開始
https://www.reform-online.jp/news/distribution/21124.php

21万円という非常に低価格の商品さえもあります。リフォーム会社・工務店が販売する大手メーカーのキッチン価格の下をくぐるような値付けは、近年PBに注力する総合スーパーらしい発想と言わざるを得ないです。

わざわざオリジナルの商品を作ってまで、営業活動を行うのはイオンだけではありません。全国に約800もの店舗を構えるニトリもそうです。リフォームに強い家電量販店として知られるエディオンとの業務提携も発表しており、リフォーム事業の強化もあり得るでしょう。


また、水回りのリニューアル市場は、目に見えないデジタル空間での競争も過熱しています。リフォームのEC(ネット通販)サービスです。

例えば、「トイレ リフォーム」で検索してみます。
現時点(2022年7月19日)でトップページに表示されたサイトの中に「生活堂」というショップが出てきます。クリックしてみると、

 
金子 裕介
株式会社 リフォーム産業新聞社

リフォーム業界の専門メディア「リフォーム産業新聞」編集長。10年以上に渡りリフォーム業界を取材。地域のリフォーム店から大手ハウスメーカー、有力リフォーム店まで様々な企業の動向をリポートしている。 リフォーム業界の最新動向は「リフォーム産業新聞」で。 https://www.reform-online.jp/

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