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2021/04/15 11:54 - No.955


第2回 広島の住宅意識を変える高性能住宅


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戸建性能向上リノベーション ~事例から学ぶ設計ノウハウ
A-PLUG 事務局

2021/04/15 11:54 - No.955

 




築30 年の木造住宅を性能向上リノベーション。窓を減らさずに耐力壁を増やして開放性と高耐震を両立。高断熱化により快適性と省エネ性も付与した。

事業主=マエダハウジング
設計施工=マエダハウジン



広島市北部に位置する住宅地に建つ、築30年の木造住宅のリノベーション事例。この住宅はマエダハウジングとYKK AP のリノベーションのモデルハウスとして計画された。

間取りはリノベーションのターゲットとなる一次取得層のニーズを踏まえ、全面的に刷新した。

広い土間を備えた玄関、ワンルームで吹き抜けをもつ開放的なLDK、リビング内階段、書斎などで構成し、開放性と暮らしやすさに配慮したプランとした。

このプロジェクトは長期優良化リフォームの補助金を利用する計画であった。そのため外壁通気層や地盤面から床面の高さの確保が必要となった。



既存の外観。外壁、屋根ともにやり変えている


既存の1階和室。1階の和室は2 室が連続して続きの間になっていた(左)
既存キッチン。他室とのつながりはなく、独立したスペースになっていた(右)


既存の建物はモルタル外壁で通気層がないなど、根本的な改変が必要であったため、躯体をいったんフルスケルトンの状態に解体した。

その上で基礎を大幅に補強した。劣化対策等級で定められた地盤面から床までの高さを確保するために十分な根入れ深さを確保し、新しい間取りに合わせて増し基礎をした。また、地面からの湿気の影響を避けるため、防湿コンクリートを全面に打設した。

上部構造に関しては、建物の外周部に筋かいを配置し、一部構造用合板を併用して壁量を確保した。その上で柱頭柱脚金物を追加することで耐震性能を高めた。

さらにリビングの大きな開口部には耐震フレーム「フレームⅡ」を採用した。これにより、耐震性を確保しながら大きな開口部を備えた開放的な空間を実現した。



梁補強の詳細。既存の梁の下部に補強梁を渡し、新旧の梁を合板で一体化する(左)
2階床張に梁補強を行ってスパンを確保する(中)
基礎下部の全面に防湿コンクリートを打って地面からの湿気を防ぐ(右)


フレームⅡを採用し、大開口を確保(左)
新規耐力壁は筋かいを中心に増設し、適宜面材を併用(中)
既存の筋かいを利用する部分は筋かい金物を施工して耐震性を確保(右)

屋根と外壁は維持管理に配慮し、ともに通気層工法を採用し、新たにガルバリウム鋼板を張って仕上げた。


屋根は耐久性に配慮してガルバリウム鋼板縦葺きで吹き替えた(左)
屋根は野地板を張り直して下葺き材を施工し、通気を確保してから屋根材を葺く(中)
施工中の外壁。この上に通気胴縁を打ち、金属サイディングを張る(右)

内装は床にナラの無垢フローリングを張り、壁に左官材、スチールの手摺を用いるなど素材感を生かしたインテリアにまとめた。


● パッシブデザインを採用

このエリアは広島市内より、冬の気温が3~4℃低い。夜間には氷点下に下がることもある。そのため高い水準の断熱性能が求められた。

窓にはトリプルガラスを備えた樹脂窓APW430を採用した。南側の窓を大きく取り、小ぶりな庇を設けた。夏の日射を遮り、冬の日射を最大限に取り込む庇長さに計算している。

また2階の窓を高い位置に設け、夏場に重力換気によるナイトパージ(夜間通風)を可能にするなど、パッシブデザインの手法を取り入れた。

足元の断熱には床断熱を採用。高性能グラスウール105㎜厚を大引間に充填し、さらにフェノールフォーム44㎜厚を根太間に施工している。

壁の断熱は軸組の外側にポリスチレンフォーム20㎜厚を張ったうえで現場発泡ウレタン80㎜厚を吹き付けた。

天井は壁と現場発泡ウレタン200㎜を吹き付けた。天井と壁に現場発泡ウレタンを採用したのは、気密性能を確実に確保するためだ。


天井には200㎜厚を施工した(左)
壁・屋根を現場発泡ウレタンで隙間なく施工(中)
壁・屋根の断熱材には現場発泡ウレタンを採用(右)


1階柱と床合板の取り合いの気密処理(左)
現場発泡ウレタンは貫通部周辺の充填性が高い(中)
鋼製火打ちなど熱橋になる部分を現場発泡ウレタンで被覆(右)

こうした断熱改修により、断熱性能は既存のUA 値1・75W/㎡・K から0・41 W/㎡・K へと大幅に向上した。この数値はHEAT20のG2 に 相当する。この住宅では気密測定も行われ、C値1.1c㎡/㎡を記録した。

大幅な高断熱・高気密化により、夏と冬ともにエアコン1 台で全館空調が可能となり、光熱費が約50%削減できる試算となっている。


竣工後のリビングからダイニング・キッチンを見る。LDKは化粧筋かいを介してつながり、1つの空間となっている


竣工後のサニタリースペース。造作棚の上に洗面器を載せたホテルライクなつくり(左)
竣工後の寝室の様子。ミニデスクを備え、書斎としても使用できる(右)


改修後の平面



改修後の矩計図





【建物概要】
建設地:広島県広島市安佐北区 
既存竣工:平成元年 
構造:木造2 階建て 
敷地面積:189㎡ 
延べ床面積: 131.84㎡



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