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2022/08/04 13:00 - No.1204


第15回 5分でわかる!「マンション管理計画認定制度」


知らないと損する!マンション管理組合の現場レポート
村上 智史

2022/08/04 13:00 - No.1204

 


◆はじめに

当連載記事では、筆者である私自身の "自宅マンションでの経験" はもちろん、管理組合を対象とする「コンサルティング」や「顧問業務」などを生業にしている "マンション管理士としての経験とノウハウ" をもとに、昨今の業界の動向などをテーマに取り上げ、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供していきたいと思います。


今年の4月からマンション管理計画認定制度がスタートしましたが、マンション管理組合の役員でもこの制度をご存知ない方が多いと思います。
今回は、本制度の概要から、申請手続きの方法、認定に際して留意すべき点、また認定取得によるメリットまでを網羅的に解説いたします。

◆本制度が発足した背景

国土交通省によると、築40年超のマンションは2018年末の81.4万戸から28年末には2.4倍の約198万戸、38年末には4.5倍の約367万戸となる見込みです。これに伴い、建物の老朽化や管理組合の担い手不足に悩む高経年マンションが急増すると予想されています。(下図参照)


2022年に施行された改正マンション管理適正化法では、老朽化を抑制し、周辺の危害などを防止するための維持管理適正化に向けた取り組みの強化が課題とされています。

こうした中、2022年4月に地方公共団体が各マンション管理組合が一定の管理状況を確保していることについて「お墨付き」として認定を与える制度が始まりました。


◆本制度のしくみ

まずは、国がマンションの適正管理のための基本方針として、「マンション管理計画認定制度」を定め、認定のための基準を開示しています。(ただし、各地方公共団体は、必要に応じて地域の実情を勘案した独自の管理適正化法指針を定めることも可能です。)

各管理組合は、自らの管理計画を地方公共団体に提出し、一定の基準を満たした場合に、地方公共団体の長によって認定が受けられます。

ただ、認定主体である地方公共団体の事務負担を軽減し、かつ手続きを円滑に行うため、(公財)マンション管理センター(以下 センター)による支援サービスの提供のもとでマンション管理士が事前確認を行なったうえで、これを地方公共団体が追認する仕組みを構築しています。

 


◆管理計画認定手続きの流れについて

 センターによる「管理計画認定手続支援サービス」を活用する場合には、以下の要領で行います。(下図参照)


(1)管理組合がセンターに認定申請を行うと、センターは管理組合に添付書類の提出(電子システムへのアップロード)を依頼します。
(2)センターからの委託のもと、マンション管理士が提出書類の内容を精査し、管理計画の認定基準への適合状況を確認し、基準を満たすと判定した場合、センターが管理組合に対して「事前確認適合証」を発行します。 
(3)適合通知を受信した管理組合は、支援システムにて事前確認適合証及び認定申請書の内容を確認のうえ認定申請を行います。
(4)支援システム経由で申請通知のメールを受信した都道府県知事等は、申請書等を審査のうえ認定を行い、その結果を支援システムに入力します。
(5)センターは、公表について事前の同意を得たマンションの名称、所在地等を「認定マンション閲覧サイト」(センター運営)で一般公開します。

なお、認定期間は5年間で、認定期間の満了時には改めて更新申請が必要です。 


◆管理計画の認定基準および提出書類について

管理計画が認定されるための基準ならびに審査のために必要な書類はそれぞれ以下の通りです。

(1)管理組合の運営 


(2)管理規約

 

(3)管理組合の経理

 

(4)長期修繕計画の作成および見直し等

 

(5)その他

 

以上が本制度の概要ならびに申請手続きの説明となりますが、管理組合が本制度を活用する場合に留意すべき点を下記の通り纏めました。


◆管理組合が留意すべき点

(1)現状において管理計画認定は義務ではない

少なくとも現時点では本制度の認定を受けるのは義務ではないため、特に急いで対応する必要はありません。

また、地方公共団体によっては、

 
村上 智史
株式会社 マンション管理見直し本舗

株式会社 マンション管理見直し本舗 代表取締役社長 村上智史 東京都マンション管理士会所属 マンション管理士・中小企業診断士・宅地建物取引主任者 1964年京都府出身。早稲田大学商学部を卒業後、1987年4月三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事したほか、投資顧問会社出向等を経て2013年3月退職し、同年4月より現職。

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