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2024/07/12 09:00 - No.1407


第32回 機械式駐車場の「修繕問題」と「空き区画問題」を同時に解決したマンションの話


知らないと損する!マンション管理組合の現場レポート
村上 智史

2024/07/12 09:00 - No.1407

 


当連載記事では、マンション管理士として豊富な経験と実績を持つコンサルタントが、管理組合が抱える様々な問題やお悩みを解決した事例、あるいは関係法令等の改正を含め管理組合にとって影響の大きい昨今の業界動向などをテーマに、『マンション管理に携わる皆様に役立つ情報』を提供してまいります。



今回は、筆者が顧問として組合運営をサポートしているマンション(千葉県所在)において駐車設備の更新と一部設備の撤去・平面化を同時に実施した事例について紹介します。

<顧問先マンションの概要>
 ■ 竣 工  :2005 年 3月
 ■ 総戸数  : 51戸(ファミリータイプ)
 ■ 構造・階数:鉄筋コンクリート造 地上10階
 ■ 駐車場  :32台(すべて機械式)


管理組合のお悩み内容

当マンションの機械式駐車場は、3年くらい前から設備保守業者より経年劣化に伴う部品交換等の修繕工事の提案(総額約6百万円)を受けていました。

一方、駐車場の稼働率が近年低下傾向にあり、全32区画の半分以上(18台)の空き区画が発生していました。

マンション内の需要動向を把握するため、居住者を対象にアンケートを実施したところ、今後も利用者の増加は期待できないことがわかりました。

さらに、既存設備のメーカーの製品は、駆動用のシャフトが破断してパレットが落下する事故等が発生した事例があるなど、その耐久性についてリスクがあるといった情報を管理会社ならびに他の保守業者から入手していました。

ちなみに、そのメーカーはすでに機械式駐車場の新規販売を中止していることから、今後経年劣化した部品を交換したくても供給が突然中止になってしまうリスクもありました。

もし、そのメーカーが仮に事業撤退した場合、部品交換の際にはオーダーメイドで製作する必要があるため、製品価格が通常の5~10倍に上昇するうえ、保守点検も引き受けてもらえなくなるおそれがあることもわかりました。

そのため、既設メーカーの設備を維持しながら修繕工事を実施するのは安全性だけでなく経済面のリスクも大きいため、より信頼性の高い他メーカーの設備に新規更新することが望ましいと判断しました。



「修繕問題」と「空き区画問題」を同時に解決するプランの検討

現状の稼働状況が改善する見込みが小さいことから、駐車場の区画を減らすことを基本方針にしたものの、その区画数の調整が重要な課題となりました。

 
村上 智史
株式会社 マンション管理見直し本舗

株式会社 マンション管理見直し本舗 代表取締役社長 村上智史 東京都マンション管理士会所属 マンション管理士・中小企業診断士・宅地建物取引主任者 1964年京都府出身。早稲田大学商学部を卒業後、1987年4月三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事したほか、投資顧問会社出向等を経て2013年3月退職し、同年4月より現職。

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