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2021/07/29 07:37 - No.1069


第4回 住宅デザインの様式とは


住宅デザイン・テクニック!~地域工務店が売れるための住宅デザイン
石川 新治

2021/07/29 07:37 - No.1069

 

住宅デザインを語ろうとするのは、とても難しいものです。その難題の住宅デザインについて、書いてみたいと思いました。できれば住宅の担い手である地域工務店の経営を観点にして住宅デザインを考え、工務店にもできるテクニックとしてまとめてみたいと思います。

連載4回目となる今回は、「住宅デザインの様式とは」というテーマでお送りします。

前回記事はこちら




◆アメリカの分譲住宅

工務店が売れるためのデザインとして、ゲニウス・ロキ、クラシック・デザイン、そして住まい文化を通じて、単語としてよく使ってきた言葉のひとつが「様式」です。

ここでは、学者になろうとしているのではないので、建築様式の深い研究をするつもりはありませんが、ひと通り、解かったつもりにはなっておきたいものです。

この様式を知るには、アメリカの事例が最適であると考えます。

個人的な経験談ですが、アメリカに住宅視察に行った時に、アメリカのビルダーによる住宅デザインを垣間見ることができました。

視察研修ですから、ホームビルダーズショーや著名住宅の名所と、アメリカの分譲住宅地を巡る旅行です。アメリカでは注文住宅よりも分譲住宅の方が主流です。

ただ、分譲地は観光バスに乗ったまま通り過ぎるだけです。

バスの車窓ガラスに手持ちのカメラのレンズをベタ付けにして、ひたすらシャッターを押し続けて撮影だけに集中しました。

そして、いろいろな住宅デザイン事例が収集できたと喜びました。

日本に帰ってから、この時撮った住宅を並べてみると、見ての通りです。


どれ1つとして、同じものは建っていません。

しかし、よく見ると、まったく同じプランニングです。

アメリカの住宅デザインでは、一部の限られた人にしか再販売できないようなデザインには価値がないのです。これは、これまで書いてきたことに通じる話です。

そして、どこかで見たことがあるようなデザインには、様式の要素も見られます。

そうです、アメリカ住宅には「様式」を必要としています。

 
石川 新治
一社)住まい文化研究会

明治大学工学部建築学科卒業。1981年ミサワホーム株式会社に入社。技術部設計から販社営業を経て、宣伝部マネージャーとして企画広報活動全般を経験。2007年、MISAWAinternational株式会社にて200年住宅「HABITA」を展開する。住宅の工法、技術、営業、マーケティング、商品化、デザイン、広報、住まい文化など、全般に精通。現在、一般社団法人住まい文化研究会代表理事として、機関紙「おうちのはなし」を発行し、全国の地域工務店の活動を支援している。主な著作に、「おうちのはなし」(経済界)、「地震に強い家づくりの教科書」(ダイアプレス)がある。

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