月間600万人が利用する住生活領域に特化したソーシャルプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」のビックデータをもとに、リアルな住まいと暮らしのトレンドをご紹介していきます。
ルームクリップは12月6日、2021年の住まいと暮らしのトレンドや注目キーワード、プロダクトなどを選出する「RoomClip Award 2021」を発表しました。連載2回目となる今回は、この「RoomClip Award 2021」について解説します。
2020年は「ニューノーマル/ステイホーム」という新たな動きに対応することが大きなテーマでしたが、2021年は「ニューノーマル/ステイホーム」が長期化し、当たり前となるなかで新たな変化やトレンドが生まれた1年となりました。
2021年のRoomClip Awardからは2つの大きな潮流が見て取れます。それは「ニューノーマルの定着」と「映え/見た目重視から心地よさの重視へ」という2つです。それぞれの潮流ごとに該当するキーワードを解説します。
◆突然のステイホームから1年。ニューノーマルは暮らしに定着
2020年のRoomClip Awardでは、緊急事態宣言の発令に伴ってステイホームを余儀なくされた状況に対しての試行錯誤から生まれたトレンドが、キーワードとして多くランクインしました。突然増えた在宅時間を少しでも楽しむために数多く生まれた「おうち○○」、外出が制限される中で戸外を楽しむために多くの工夫が生まれた「庭・ベランダで過ごす」、ステイホームにより料理や掃除など家事時間が増えたことに伴って買い直しや買い増しが進んだ「巣ごもり家電」などが、まさにそういったキーワードに該当します。
一方、2021年のランキングでは、こうした2020年のトレンドが発展したキーワードがランクインしました。例えば「庭・ベランダのリビング化」。アウトドアとインテリアの接近はここ数年の潮流でしたが、ステイホームを余儀なくされたことで、この潮流は一層進みました。RoomClipが2021年3月に実施したアンケートでは、約2割の人が「コロナがきっかけでガーデニングなどを始めた」「ベランダや庭で過ごす時間が増えた」と回答。 こうした人々が自宅でアウトドアアイテムを活用し、その様子をSNSで共有したことで、庭・ベランダを「リビング」としてより快適に過ごすノウハウが広がったのが2021年でした。
企業側にも動きがありました。無印良品は2021年9月にアウトドア用品を発売。一方でアウトドアブランドのスノーピークは10月に家具事業への参入を発表するなど、ブランド側でもアウトドア、インテリアそれぞれの領域からの融合が進展しました。
「暮らしの快適家電」のランクインも同様の傾向と言えます。
2020年コロナがきっかけで突然家事の時間が増えたことで、まずは家事を効率化する家電に再度注目が集まりました。
RoomClipのアンケートでは、15〜20%の人が掃除機や加湿器、洗濯機などを買い増し/買い替えたと回答しました。
(住文化研究所4月レポート「新型コロナで変わった暮らしと住まい:前編」より)
コロナ禍も2年目に突入し、引き続きステイホームが推奨される中で、RoomClipユーザーの興味は効率化からさらに一歩進み、
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