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2022/04/07 07:30 - No.1160


第2回 お得な情報でファンづくり:動画づくりのコツ


女心をつかむSNS発信
下田 典子

2022/04/07 07:30 - No.1160

 


この連載では、地域工務店が自社のファンを増やすべく、女性が視覚的に「理解しやすく」「真似したくなる」投稿で、女心をつかむSNS発信のポイントを紹介していきます。

前回は、雰囲気でファンをつくるインスタグラム投稿について紹介しました。投稿では、わかりやすく親切であること、真似したくなる世界観、そしてリアルな暮らしに落とし込めるポイントを押さえたものが女性から支持されているというお話でした。

連載2回目となる今回は、お得な情報でファンを増やす動画づくりのコツについてお話しします。


◆働く女性のYouTube事情

前回、欲しい物を探す時にインスタグラムで検索する女性が多いという話をしました。様々なメディアがある中で、自分の好きな時に、好きなタイミングで、空き時間に手軽にスマホで検索しサクッと買い物。今どきの女性たちは、忙しい合間を縫いながらも、スマートな手段で、自分の欲求を満たす術を心得ているな……と感心します。
動画との向き合い方も然り……女性たちが日々見ている動画の活用術から、女性の本音が見えてきます。

弊社が20~40代女性のメルマガ会員に向けて実施した「住宅に関するアンケート」では“YouTube動画をどのくらいの頻度で見ますか?”との問いに、約半数の人が「ほぼ毎日見ている」と回答。もはや生活の一部になっていることがわかりました。ただ、割合で見ると「見ない」という人も2番目に多く、好き嫌いがはっきりしているSNSともいえます。

動画共有系SNSの中で、10~40代の90%以上と圧倒的に見られているのがYouTubeです。地域工務店が運営するチャンネルも多く見受けられるようになり、工務店選びの際、YouTube動画がある場合は参考にしたという割合も高くなっています。

住宅に関するアンケート/2021年実施
(提供:Seeders)


◆なぜYouTubeを見ているのか? 

それでは、YouTubeを見る人たちは、なぜ見ているのでしょうか。YouTubeについての調査を行い、女性の意見を吸い上げると、様々な動機が見えてきました。YouTubeは、暮らしを楽しくし、気軽に生活の質を上げてくれる娯楽の1つと言えそうです。

例えば、YouTubeでしか得られないエンタメ性があります。プロではなく一般人が発信するからこそ、自分に置き換えやすく親近感がわきます。また、動画を通じて自分の興味関心のあるものに手が出しやすく、ハウツーものなど文字でピンとこないものが音声と動作で明確になるというメリットがあります。そして何より、場所の制約がなくスマホで気軽にアクセスできることで、ちょっとした空き時間や移動時間に「流し見」「流し聞き」ができるという便利さが、最大のメリットだと感じます。


◆SNSを使いこなす今どき女子の本音

弊社が「住宅に関するアンケート」の中で行った、YouTubeの利用に関する調査結果を、以下にご紹介します。調査では、視聴するデバイス、時間、どんなYouTubeチャンネルを視聴しているのか等を具体的に聞きました。テレビのように時間に縛られない分、自分の分身のように動画と付き合う女性像が見えてきます。

設問①:「一日のどんな時に、どのタイミングで見ますか。」

寝ている時間以外はいつもYouTubeが流れている……という女性が少なくありませんでした。また、聴くだけという人もおり、作業や在宅勤務中のBGM替わりにするなどの使い方もされています。

回答例)
・ほぼ毎日、帰宅してから寝るまで5時間位。料理中、作業中、ゆっくりしている時など     
・19~22時、ほぼ毎日パソコンで見る
・化粧をしながら、ごはんを食べながらなど色々なデバイスでほぼ毎日見ます
・身支度の時間、通勤など運転中、入浴中、就寝前など     
・見るというより聴いています(通勤中にスマホで)     


設問②:「どんなものを視聴しますか。好きなもの嫌いなものなどありますか。」

好きなミュージシャン、グループ、気になって聴いたらハマってリピートしているなど、好みでわかれます。しかし、商品レビューもPR色が強いと見ないなど、露骨な広告には嫌悪感を示す傾向があります。

回答例)
・料理やお菓子づくりなど。動画のほうが細かいところがわかりやすい
・語学系チャンネルでつかえるフレーズを習得
・話し方や内容が自分のテンポと合う人、素敵だなと思うものを見る     
・ゲームの実況やただしゃべっているチャンネルをラジオのように流す     
・基本無音で視聴するので、テロップがあるほうが親切で好き
・「買ってみた!」「開封してみた!」のような宣伝色が強い動画は見ない     


◆動画づくりで押さえるべきポイント

動画は、写真だけの投稿より詳細まで伝えやすく、音と動きがセットなので視覚的にもわかりやすいというメリットがあります。だからこそ「目的」がブレないように注意しましょう。発信者の狙いはどこにあるのか、アクセス数を上げることなのか、本当に建てたいという人に詳しく検討してもらうことなのか、案外そこがブレてしまう工務店が多いように感じます。

例えば、工務店の営業マンが、竣工物件内を撮影しながら見どころを紹介する動画はどうでしょう。つくった側から人の推しポイントは確かに参考になりますが、視聴する側からすると押しつけに感じたり、面白みに欠けたりするものです。

自分の良さを伝えるより、自分が歩み寄れること、女性が好きなものに近いか。発信する側が常に点検して意見を出し合うのが大切です。


◆建てた人の声を活かす動画例

例)栃木県内不動産・建築業:
建ててから特にここがオススメというポイントや、建てる前から重視して間取りに組み込んだことなど、住んでいる人に実際に登場していただきながら紹介するルームツアー形式の動画。「家事動線がいい」間取りは特に人気が高く、その使い勝手がわかりやすく紹介されているので、家を検討中の人から「この動画と同じ間取りにしたい!」という声も多くいただきます。


ルームツアー形式の動画
(提供:Seeders)


動画内に間取りを表示することで、ランドリーなど水回りの繋がりがわかりやすい。
来客の際、目に触れないなどの配慮もうれしい。
(提供:Seeders)

 

ご主人お気に入りの和室からリビングを見下ろす光景
(提供:Seeders)


◆これ見て得した!と思わせる動画づくり

弊社が実施した「住宅に関するアンケート」では、家づくりの際に消費者が知りたい内容を調査しました。こちらの結果をもとに、動画づくりの際のポイントをお伝えしていきます。

 
下田 典子
株式会社Seeders

株式会社Seeders 代表取締役 イベントの企画運営を経て2009年に広告代理店を創業。消費のカギを握る女性に響くデザインの企画提案、消費者マーケティングリサーチ、SNSコンサルティングを行う。また、住まい手へのインタビュー、SNS投稿代行、工務店の完成見学会や家具コーディネートまで、地域工務店PRに特化した企画を数多く手がける。暮らしを楽しむウェブサイト「TANOKURA」を運営し、おもに30代の女性に向けた情報発信を行う。

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