快適で光熱費の掛からない高断熱住宅の普及に向け、多くの提案と実践を行ってきた鎌田紀彦氏。鎌田氏が考える高断熱住宅の課題や技術動向について聞いていく全4回の連載。第2回は鎌田氏や新住協が推進する「Q1住宅」について聞く。鎌田紀彦氏 室蘭工業大学名誉教授一般社団法人新木造住宅技術研究協議会[新住協]代表理事−鎌田先生が代表理事を務める新住協は「Q1.0住宅」を推進していますね鎌田 「Q1住宅」のコンセプトは「燃費半分」です。本来これは一般住宅の暖房費の半分以下で全室暖房を実現しようと云うことです。セミナーなどを通じてそのノウハウを一般の工務店や設計事務所に広く伝えるとともに、新住協の会員には「全棟Q1.0住宅」つまり「Q1.0住宅しかつくらない工務店になってください」と訴えています。−「Q1住宅」の普及は進んでいますか?鎌田 新住協の会員の中では「全棟高断熱住宅」の工務店は数100社います。ただし、「全棟Q1.0住宅」となると40~50社というところです。2020年までには工務店の生き残りという意味からも「全棟Q1.0住宅」の工務店を200社以上に増やすのが目標です。−それを達成するための方策はなんでしょう 鎌田 まず「Q1.0住宅」の基準を見直しました。当初は基準を厳しく設定しすぎていました。先に述べたようにQ1のコンセプトは「燃費半分」ですが、最初の基準だと5地域では3分の1まで下がります。これは厳しすぎると考えました。−「燃費半分」とは何と比べて半分なのですか?鎌田 「あなたが住んでいる今の家を、全室暖房で快適にして暖房費を半分に」というのが出発点なのですが、「あなたが住んでいる今の家」の暖房エネルギーの調査データがありません。集合住宅を含めた調査はありますが、それだと暖房 ..
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