猛暑、猛暑と呼ばれた昨年夏に、筆者が見聞きし、悶々と考えた、ある施工現場の見聞録=ドキュメンタリーです。住宅多能工の研究をされ、御自身でも施工ができる「先生」が手掛けた、とある施工現場を見て聞いたことを記します。この工事現場の中に、多能工の可能性を大いに考えさせられました。
この46㎡の貸家のリノベーションは、70歳を過ぎた「先生」がたった1人の施工で仕上げたものです。ただし認可の要る、電気と給排水の接続工事だけは外部専門職に発注しています。それ以外は、すべて1人の手によります。「多能工」といえば「器用な大工」と思っていては多能工を語れないと、常々先生からは教えていただいていました。多能工とは建築現場の絶対的な管理者であり、工事に利益を生みだす人です。それを、この現場で示してくれたのですが...完成した現場完成した部屋は、民泊として活用される部屋です。内装は床・壁・天井ともに、国産ヒノキを使っています。つまり、総ヒノキ造りの部屋ということです。6名までの宿泊ができるように、浴室・洗面・トイレ・キッチンなどの居住設備が装備されています。これらもすべてヒノキ造りです。さらには、収納式のベッドが6台、壁に組み込まれています。ベッドにはダンパーが付いていて、女性でも簡単に出し入れすることができます。このような家具まですべてヒノキ造りで作られている部屋は、まるで「家具のような部屋」です。先生はいいます。「私は大工ではない。そして大工ではできない。」と...材料の手配この現場に、施工段階から数度足を運び、先生のご教授をいただいていました。でも、現場には一 ..
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