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2019/12/10 08:45 - No.644


松尾和也氏「高性能住宅が前提の時代になってきた」(前編)


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APWフォーラム講師による「家づくり講座」
ともこ @住宅ライター

2019/12/10 08:45 - No.644

 
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ともこ@住宅ライターです。今回は「APWフォーラム2019大阪会場」で行われた、松尾和也さんによる講演を前編・後編でレポートします。

松尾さんは今回、高性能住宅が前提となりつつある今と、その必要性を説明するツールの進化について語られています。

松尾さんは「今までの講演とは、ほとんど違う話をしてみようと思いますので、最後までどうぞお付き合いください」ということで、講演レポート前編のスタートです!


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一般社団法人 パッシブハウス・ジャパン
理事 松尾 和也 氏

1975年 兵庫県出身1998年 九州大学工学部建築学科卒業(熱環境工学専攻)
現在、株式会社 松尾設計室 代表取締役、JIA登録一級建築士 設計活動の他、「日経アーキテクチュア」「建築知識」「新建ハウジング」等の専門誌の執筆活動や「断熱」「省エネ」に関する講演を行っており、受講した設計事務所、工務店は延べ5,000社を超える。著書に「ホントは安いエコハウス」、「あたらしい家づくりの教科書」がある。


適切な判断をするためのデータ

関西人らしく「一番チャラいやつからいきます」と松尾さんは笑いを取ります。


この画像を見て、松尾さんは「この人の寒さを改善する方法に、マフラーを巻く、ズボンを履く、どちらがいいと思いますか?」と問いかけます。

それに対して会場のほとんどの人は、ズボンを履くという改善方法を選びました。次は「工務店で建てた家を、200万円の予算で断熱改修しましょうとなったら、どう予算を割り振りますか?」と松尾さん。ほとんどの人は、「んーどういう割り振りをしようかな」となりそうです。

1つ目の質問は、さほど考えなくてもすぐ分かりますよね。それは、人間の皮膚には、温点・冷点という温度センサーが皮膚全体に埋め込まれており、生きてきた分だけの温度データが脳に入っているからのようです。なので、ズボンを履くという答えを導き出すのは簡単な話でした。

ところが、断熱改修の予算の割り振りとなると、フリーズしてしまう…なぜでしょうか。

「実際に、Q値やUA値の計算をしたり、C値の測定をしたり、温度計を設置してデータを取った経験がある人。ほとんどいないのではないでしょうか」と松尾さん。

いくらプロであっても、そもそも温度データを持っていない場合、「断熱改修の予算はどこから割り振ったらいいのだろう」となるわけですね。

松尾さんは、これまで全国各地の工務店へ出向き、多くの現場を見学されてこられたそうですが、ここでいう、「ズボンを履かずにマフラーを巻いてしまっている」ような断熱改修の例をたくさん見てきたそうです。

「つまり、計算や実測をして頭にデータを入れないことには、適切な判断ができないんです」と松尾さん。いかにデータを収集するのが重要であるかを説明されています。

なぜこういったデータがここまで重要なのでしょうか。続けていきましょう。

 
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ともこ @住宅ライター
フリーランス住宅ライター

フリーランス住宅ライター編集者。広島県出身。愛媛県在住。タウン誌営業→スノーボードインストラクター→住宅誌営業(現 株式会社KG情報/家づくり学校)→フリーに。住宅誌づくりを通じて住宅の面白さにハマる。現在は主に一般向けの住宅誌や住宅サイトで執筆中。省エネ建築診断士。twitter/ともこ@住宅ライター。有料note/工務店向け!これは真似できる「一条工務店の集客術」(https://note.mu/tomoko_house/n/n253526d8a40f)を発売中。

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