◆改正住宅瑕疵担保履行法が施行
リフォームや中古の瑕疵保険も住宅紛争処理の対象に
住宅瑕疵担保履行法の第33条1項が改正され、2022年10月1日から施行された。
住宅紛争処理制度の適用対象を拡充したことが大きなポイントだ。
従来、住宅紛争処理制度の適用を受けることができるのは、建設住宅性能評価書付き住宅および新築住宅向け瑕疵保険のうち、1号保険(義務化保険)付き住宅に限られていたが、2号保険(任意保険)付き住宅まで拡大した。
拡大対象となる2号保険の類型は、新築後1年以上経過してから購入した住宅が対象の「新築2号保険」、リフォーム工事の対象箇所にかかる「リフォーム瑕疵保険」、大規模修繕工事実施部分のうち、構造と雨水侵入に関する部分などを対象とする「大規模修繕瑕疵保険」、中古で購入した住宅にかかる「既存住宅売買瑕疵保険」、新築住宅の瑕疵担保責任期間(引渡し後10年間)後、検査・補充した場合の「延長保証保険」。
特に、リフォーム瑕疵保険と既存住宅売買瑕疵保険の追加は大きく、これまで新築住宅に限定されていた適用対象がリフォーム、既存住宅にまで広がった。
住宅紛争処理制度とは、住宅事業者などと住宅取得者などの間で紛争が生じた際に、消費者保護の観点から住宅専門の紛争処理機関である「指定住宅紛争処理機関(住宅紛争審査会)」に申請して、「斡旋」、「調停」、「仲裁」などの紛争処理を受けられるもの。
特徴としては、①弁護士や建築士などの専門家から構成される紛争処理委員が専門的な知見を用いて公正・中立の立場で紛争処理にあたること、②手続きは非公開で行われるため、プライバシーが保護されること、③裁判と比較して迅速な解決が図れること、④紛争処理にかかる費用は、原則として申請手数料の1万円のみで、紛争処理委員への謝金、通常の鑑定・現地調査費用などはかからないこと、の4つがある。
なお、改正法の施行前に加入した2号保険も対象に含まれるが、この場合の申請料は1万4000円となる。