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2021/01/08 07:34 - No.973


第13回 外皮について(5)


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省エネのキホン
堤 太郎

2021/01/08 07:34 - No.973

 
S1200x600 s1200x600 no13さて、引き続き「外皮について」というテーマで、「省エネのキホン」的考察を進めたいと思います。今回は断熱施工の見える化について、私の実体験もまじえてお話します。■クレーム、トラブルを回避するためのお薦めツール4~5年ほど前の真冬の寒い時期、お引渡しから3ヶ月ほど経った施主様から当時所属していた会社に、「2階の寝室の天井が結露して水滴が落ちてくる」との電話が入りました。急ぎ施主宅へ向かい調査しましたところ、確かに2階居室の天井の一部のみ、室内側に結露が発生し、滴下している状態でした。その物件は天井断熱ですので、断熱材直下の面で水滴になるほど結露するというのは通常考えられません。しかし、小屋裏を確認すると、天井面に二重に敷き込んだ高性能グラスウールが一部上にずれており、その下の天井面の石膏ボードとの間に空間ができて、小屋裏経由の外気がほぼそのまま入り込む状態になっていました。その結果、寝室天井のその範囲のみ石膏ボードの表面温度が「(結露が起きる)露点温度(ろてんおんど)」まで下がり、室内結露が起きていたようです。結露に至る要素として、天井の表面温度以外に、室内温度と相対湿度から求められる絶対湿度(水蒸気量)があり、それらにより都度、「露点温度」が定まります。同じ室温であれば相対湿度が高い(空気に含まれる水蒸気が多い)ほど結露も発生しやすくなるのですが、今回のケースでは・小さなお子様がいるので、締め切った一部屋で家族全員が寝ていた・冬場の乾燥対策として毎日のように加湿器が作動していたという条件も重なり、さらに結露が促進されたと想像します。いずれにせよ、施工不良によって起きたことは間違いないので、調査に立ち会われた施主様に丁重にお詫びすると共に、その場で即、断熱材をキッチリと納めて是正し ..
 
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堤 太郎
一般社団法人 みんなの住宅研究所

一般社団法人 みんなの住宅研究所 代表理事/株式会社 M's構造設計所属。一級建築士、CASBEE戸建評価員、BISほか。1966年奈良県生まれ。1990年摂南大学工学部建築学科卒業。関西商圏のビルダーに27年勤務し、主に2x4工法(枠組壁工法)の戸建住宅設計に携わる。2013年にドイツのフライブルクをはじめとした各地の研究機関・企業等をツアー視察した後、ATC輸入住宅促進センター(大阪市)主催の省エネ住宅セミナーにて、企画のアドバイスやパネルディスカッションのコーディネーターとして複数参加。2018年にM’s構造設計に参加、「構造塾」講師や「省エネ塾」の主催、個別コンサルタント等を行っている。

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