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2024/05/22 17:00 - No.1395


拡大する住宅用断熱建材市場(トピックス)


メディアレポート|トピックス
メディアレポート 編集部

2024/05/22 17:00 - No.1395

 


YKK AP株式会社が発行する建築業界情報誌「メディアレポート」の「トピックス」では、住宅業界の最新情報、市場の動向・トレンドをご紹介しています。
今回はメディアレポート 2024年5月号に掲載された「
拡大する住宅用断熱建材市場22年度に1,800億円を突破」をお届けします。


拡大する住宅用断熱建材市場
22年度に1,800億円を突破

矢野経済研究所が「住宅用断熱建材市場調査」を実施し、2022年度の同市場が1,800億円を突破したとする推計を発表した。

この調査は、住宅用断熱建材の出荷量・市場規模、分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにしたもの。グラスウール、ロックウール、硬質ウレタンフォーム、押出法ポリスチレンフォーム、セルローズファイバー、ビーズ法ポリスチレンフォーム、フェノールフォームのほか、住宅用窓・サッシを調査対象にしている。

22年度の住宅用断熱建材市場は、メーカー出荷量ベースでは21年度比0.9% 減の34万5,336t、金額ベースでは同4.5% 増の1,818億円だった。出荷量ベースの市場規模は微減となったものの、金額ベースの市場規模は堅調に推移した。

近年、様々な企業が脱炭素への取り組みを加速させている。断熱材メーカーでも、自然由来の原料を用いた商品開発、リサイクルシステムの構築、廃材の活用、環境配慮型商品ブランドの確立といった取り組みが進んでいるところだ。こうした背景に起因する高性能・高付加価値な断熱材の販売増加による単価上昇や、原材料費、物流費の上昇などを理由とした価格改定の影響によって市場が拡大したとみている。

また、23年度の市場規模は出荷量ベースが34万6,000t(22年度比0.2%増)を見込んでいるほか、24年度は34万9,100t、25年度は35万900tと予測。加えて、金額ベースは23年度に1,878億円(同3.3%増)を見込んでおり、24年度は1,932億円、25年度は1,976億円と予測した。

いよいよ25年度からすべての新築住宅に省エネ基準の適合が義務付けられる。また、長期優良住宅、低炭素建築物の認定基準が引き上げられたことなどから、住宅の高断熱化の取り組みは大手ハウスメーカーだけでなく、地方ビルダー・工務店など住宅供給事業者全体にまで広がっている。

同研究所は、今後、断熱材の生産から断熱材が使用された建築物の解体までの幅広いフェーズでCO2排出削減に寄与するような素材・工法の開発などが求められると分析。住宅の高断熱化の動きはますます加速し、高性能断熱材の需要が高まることで同市場は順調に拡大すると見通す。



 メディアレポート 2024年5月号

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