
YKK AP株式会社が発行する建築業界情報誌「メディアレポート」の「トピックス」では、住宅業界の最新情報、市場の動向・トレンドをご紹介しています。
大阪府寝屋川市が「空き家流通促進税条例」を可決、独自の法定外普通税が実施されることが決まった。今後、総務大臣の同意を経て、正式に条例を公布、同市は2029年度の課税開始を目指している。
空き家への課税をめぐっては、これまで京都市が「非居住住宅利活用促進税」の導入を決定、2030年度の導入を目指している。寝屋川市は京都市に次ぐものであるが、予定通り実施されれば、寝屋川市が初の導入事例となる。さらに神戸市では、市の中心部に立地する分譲マンションなどの空室保有者を対象に「空室税」の導入検討を進めている。市の検討会において答申案をとりまとめ示したもので、今後、内容をブラッシュアップし議会にはかる考えだ。
空き家の増加が大きな社会問題となるなかで、国・自治体は空き家対策特措法により特定空き家や管理不全空き家の対策を進めてきた。例えば、固定資産税の住宅用地特例の適用除外など放置空き家に対する規制強化を進める一方で、その利活用の推進を支援してきた。こうした取り組みをさらに一歩進める動きが「空き家税」の導入だ。
寝屋川市の「空き家流通促進税制」は、放置空き家を市場に流通させることが目的。「市内に存在する賃貸・売却など市場に流通していない空き家」、いわゆる「放置空き家」が対象で、「家屋割」(建物に係る追加税)+「家屋立地割」(土地の立地に係る追加税)を固定資産税に追加して課税する。「家屋割」は家屋の固定資産税額×35%、「家屋立地割」は土地1㎡当たりの固定資産税額×延床面積×35%だ。今後、総務大臣との協議・手続きを経て施工期日が決まるが、同市では2029年度の開始を目指している。同市によると、市内で居住のない住宅は1万5450戸、このうち賃貸用及び売買用を除いた空き家は約6410戸であり、これらが課税対象となる。
京都市の「非居住住宅利活用促進税」は、市街化区域に限定し、別荘や空き家等住民票がなく居住実態のない住宅が対象。また、神戸市は市中心部に立地する分譲マンションなどの空室所有者を対象に「空室税」の導入を検討している。それぞれ対象が異なるが、税負担を求めることで未活用の住宅ストックの利活用を促すことが目的だ。そのほか横須賀市、熱海市などで「空き家税」が検討の俎上に上がっていると報じられている。
空き家問題は都市部・地方部を問わず自治体の大きな課題。法定外税の導入のハードルは高いが、他自治体でも導入の検討が活発化しそうだ。













