「特集」では、季節の話題や特にお伝えしたい情報をご紹介しています。
家づくりは断熱等級6・省エネ等級8の時代に
外皮性能向上のカギを握る“窓”
省エネ基準への適合義務化、GX志向型住宅やGX ZEHなど、住宅の省エネ性能の向上が進み、建築確認申請時の省エネ性能に関する書類の提出など、制度の改正も進んでいます。家づくりが新たな時代を迎えているなか、省エネ性能の確保が必須となっているのです。
新築住宅
GX志向型の補助が継続
2027年にはGX ZEHがスタート
住宅省エネ2026キャンペーンにおいて、昨年度に続き今年度も「GX志向型住宅」の補助が行われています。断熱等性能等級6以上、一次エネルギー消費量について、再生可能エネルギー無で削減率35%(BEI0.65以下は一次エネルギー消費量等級8に相当)、太陽光発電を含む削減率100%などの条件を満たすことで110万円/戸(1~4地域は125万円/戸)の補助を受けることができます。また、2027年4月から新たなZEH基準である「GX ZEH」の認証がスタートする予定です。この認証で戸建住宅に求める省エネ性能は「GX志向型住宅」と同等のものです。
これからの家づくりは「断熱等性能等級6・一次エネルギー消費量等級8」がスタンダードになると言っていいでしょう。

住宅全体の外皮性能向上に欠かせない窓
断熱等級7にはトリプルガラス樹脂窓が必須
住宅の省エネ性能がワンランク上がろうとするなか、窓の重要性がさらに高まっています。
高性能グラスウール(16kg/㎥)100mmの熱貫流率(U値)は0.45W/(㎡・K)。窓の種類ごとにこの断熱材に例えると、アルミ樹脂複合窓(Low-E複層ガラス)は13mm分、樹脂窓(Low-E複層ガラス・ガス入)は30mm分、樹脂窓(トリプルガラス・ガス入)は53mm分となります。窓の断熱化を図らなければ住宅外皮全体の性能を上げることができないことから、YKK APではトリプルガラスなどの樹脂窓を推奨しています。
6地域における断熱等性能等級6・7をクリアするためには、どのような窓が求められるのでしょうか。等級6をクリアするためにはアルミ樹脂複合窓(Low-E複層ガラス・ガス入)では足りず、樹脂窓(Low-E複層ガラス・ガス入)が必要です。さらに等級7をクリアするためには樹脂窓(トリプルガラス・ガス入)が必要となります。

窓が左右する暮らしの快適さ
ガラスをうまく使い分けよう
省エネ性を高める上で断熱性向上は欠かせませんが、高断熱住宅で快適に暮らすためにも窓の選択が重要になります。
開口部の面積を減らすことで断熱性を上げることは可能です。しかし、窓のない家、極端に小さくて暗い家が快適と言えるでしょうか。YKK APでは、省エネ性と快適性を両立する窓選びが大切だと考えています。
窓選びで重要なポイントの一つがガラスです。ガラスには大きく日射取得型と日射遮蔽型があり、それぞれ適所に使うことで快適な暮らしを実現することができます。ただ、夏期の強い日差しを遮るために南面の窓に日射遮蔽型ガラスを採用すると、冬期に暖かな日差しを取り入れることはできません。YKK APでは、南面に日射取得型ガラスを採用し夏期にはアウターシェードやリモコンスリットシャッターなどで日射を遮る提案を行っています。加えて、東西北に日射遮蔽型ガラスを使うことで、一年を通じて快適な暮らしを実現することができます。

南面には高断熱+日射取得ガラス
太陽高度の低い冬は窓から日差しを取り込み、太陽高度の高い夏は日差しを遮って窓からの熱の浸入を防ぐ
既存住宅
省エネ基準未満のストックは4300万戸
国は窓改修を積極支援
ストック住宅のうち現行の省エネ基準を満たしている住宅は19%しかありません。8割を超える住宅が現行基準を満たしておらず、その数は約4300万戸に達しています。その省エネ性の向上は、新築住宅以上に重要な課題と言えます。
国は省エネリフォームの支援に力を入れており、「先進的窓リノベ2026事業」により、既存の住宅と一部の非住宅を対象に補助を実施しています。この事業は2023年度から毎年実施されてきており、これまでに93万戸の窓の省エネ化が図られました。

現行の省エネ基準に満たないストック住宅は全体の約8割、約4300万戸
築20年以上で多いアルミ窓
適切な提案が重要に
住宅で使われる窓は、アルミ製、アルミ+樹脂製、樹脂製と普及が進んできました。住宅ストックの築年数別に大まかに分けると、築20年以上の家ではアルミ製の窓が多く使われています。
窓リフォームには、大きく内窓設置と窓交換という方法があり、既存の窓の種類、求める省エネ性能、予算など、住宅の状況やニーズにあわせた適切な提案が重要になります。
内窓やカバー工法の“こわさない”リフォーム/リノベ
手軽に快適な暮らしを実現
既存の窓枠はそのままに、手軽に窓の性能を高めることができるのが、内窓やカバー工法による省エネリフォームです。これらの窓は比較的施工費が安く、施工時間も短いため、お客様の負担が少ないことが大きなポイントです。
YKK APは、内窓「ウチリモ」を全面リニューアル、窓額縁取付面の薄見込を実現するなど新たな価値を提供しています。また、内窓では解決できない場合には、外壁工事が不要で足場もいらないカバー工法の「マドリモ」を提案、約2時間~半日で最新の窓に刷新することができます。

内窓設置 ウチリモ

窓リフォーム マドリモ
“こわす”リフォーム/リノベで性能を向上
断熱+耐震で新築以上の価値を創出
一方、窓はもちろん、外皮の断熱強化や耐震強化までを含めたリノベーションで古い住宅に新たな価値を生み出すことも可能です。特に、ストック時代に中古住宅流通の拡大が求められるなか、性能向上リノベーションの市場が広がりつつあります。
YKK APは、高断熱(等級6)、耐震(等級3)の両立を目指す全面改修に取り組んでいます。リノベーション特有の設計・施工ノウハウを持つ技術力の高い事業者687社とともに活動する「性能向上リノベの会」では、性能向上リノベーションの普及促進や研修などを続けています。
開口部性能かんたん検索サービスをリリース
断熱等級4・5の窓・ドア選びをサポート
2025年4月の改正省エネ法の施行により、省エネ性能に関する計算書類を建築確認申請時に提出しなければならなくなりました。
この省エネ計算には、大きく「標準ルート」(=正確に性能を評価できるが計算方法が複雑)、「簡易ルート」(=標準ルートより計算が容易)、「仕様ルート」(=計算が不要で仕様を満たすことを求める)の大きく3種類があります。断熱等性能等級が高くなるほど正確な計算が求められることから、使用できるルートが限定されます。断熱等性能等級5はすべてのルートが使えますが、断熱等性能等級6・7では標準ルートがほぼ必須となっています。
YKK APでは「YKK AP住宅省エネ性能計算ソフト」をウェブ上で公開していました。ただ、GX ZEHのスタートなど断熱等性能等級6の広がりが加速していくと考えられますが、現状は断熱等性能等級5の対応が中心です。YKK APでは「さらに簡単で使いやすい仕組みを」という声に応え、断熱等性能等級4・5を対象とする「開口部性能かんたん検索サービス」をリリースしました。
簡単な操作で適合を確認
地域と窓商品を選択するだけ
「開口部性能かんたん検索サービス」は、「窓・ドアの性能値」、「基準への対応状況」、「開口部の性能値リストの作成」を、ウェブ上で簡単にできるサービスです。登録が不要で、すぐに無料で使うことができます。
https://kaikouweb.ykkap.co.jp/
これまでの「YKK AP住宅省エネ性能計算ソフト」でも断熱等性能等級4・5に対応する窓については調べることは可能でした。ただ、詳細な計算ができる反面、住宅の面積に始まり建材の種類や熱貫流率などといった細かな入力を行う必要がありました。
新サービスでは、地域(都道府県/地区町村または地域区分)とYKK APの窓・ドア商品を選ぶだけで、その性能値と基準への適合状況を確認することができます。プルダウンメニューから選択するという簡単な方法で、10分程度で性能値を確認できることが大きな特徴です。


地域を選び、商品を選ぶだけで性能値を確認できる
性能値と適合状況を確認
自己適合宣言書の性能値も表示
性能値は「建具とガラスの組合せ」と、「自己適合宣言書・付属書」の2種類を表示。それぞれについて、省エネ基準(断熱等性能等級4)と誘導基準(断熱等性能等級5)への適合・非適合も表示します。例えば、より高い性能値が期待できる「自己適合宣言書」を活用することでコストを抑えながら基準クリアを目指すことも可能です。使用するすべての窓を入力すると、窓全体として基準に適合しているかどうかの確認が可能です。
また、「窓の追加」をワンクリックすることで商品を追加することができ、リスト作りや比較検討にも便利です。

「建具とガラスの組み合わせ」と「自己適合宣言書・付属書」の2種の性能値を表示
書類をまとめてダウンロード
適合申請への活用も可能
性能値の表示画面下部の「結果の表示」をクリックすると、仕様基準の適否確認結果の画面を表示します。このページから「結果のみダウンロード」と「証明書を含むダウンロード」を選んでダウンロード、実際の適合申請に使うことができます。

適否確認結果の画面から書類等をダウンロードすることが可能













