前回は、「熱移動」を現象として実感できる以下の4種類を、実際にサーモ画像で見てみました。◆熱伝導(ねつでんどう)◆対流熱伝達(たいりゅうねつでんたつ)◆熱放射(輻射)(ねつほうしゃ・ふくしゃ)◆相変化を伴う熱移動(そうへんかをともなうねついどう)これらは身の周りで当たり前に存在する現象で、かつ単独ではなく、組み合わさって同時に起こる現象でもある、ということがお分かりいただけたかと思います。今回は、これらの現象が実際に室内で人体にどう影響しているかを、より詳しく見ていきましょう。■熱が伝わる「原因」まずは、おさらいから。熱は「常に高い方から低い方へ伝わる」とお伝えしました。「熱力学第二法則」の「熱の不可逆性」から導き出される原理です。身の周りで言えば、エアコンやエコキュートなどで採用されているヒートポンプ等の何らかの技術を導入しない限り、逆はあり得ません。そして、もう一つ。熱は「平衡するまで常に拡散を続ける」というものです。身の周りに、温度が高い(熱エネルギーが多い)熱源(固体・液体・気体は問わず)があるとします。その熱源からは、周囲の温度が低い(熱エネルギーが少ない)すべての物質に向けて熱(エネルギー)の移動(拡散)が起こります。移動の形は、特定の方向ではなく全方位的に、冒頭に挙げた4種類のすべての現象によって、あらゆるルートで拡散していきます。そしてその移動(拡散)は、温度差が完全になくなる状態、平衡(つり合った)状態になるまで続きます。(厳密には「熱平衡である」とは閉じた系内部の状態ですが、ここでは「そのような性質がある」というイメージでとらえてください)たとえば元の温度を保ちたいという事で、その熱源を保温箱に入れたとします。その温度をどれだけの時間保つことが出来るかは、熱 ..A-PLUGは工務店様・リフォーム店様などの
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