(前回記事はこちら)
木造住宅の耐震補強の際に柱の上下端の接合部(柱脚柱頭接合部)を金物で基礎や土台に接合することが重要であると言われています。
新築の木造住宅でも部位によってホールダウン金物などによる接合が法令(いわゆるN値計算)で義務付けられています。接合部は木造住宅の耐震性能にどれほど影響を与えるのでしょうか?
今回は接合部について解説します。
◆接合部設計の基本
地震による力は水平方向に作用しますが、地震で家が倒れないように所定量の耐力壁を設置するのが木造の耐震設計の基本です。
耐力壁が強ければ壁倍率が高くなり壁の量を減らすことができます。しかし、あまり強すぎると周辺の部材、特に接合部に影響を及ぼします。
下の図のように壁が弱いと壁がひし形に変形(せん断変形)して行きますが、壁が強いと壁を回転しようとする力が強くなります(豆腐を横から押したときとブロックを横から押したときを想像してみて下さい)。
壁が強ければ強いほど回転する力が大きくなり接合部が弱いと破壊してしまいます。回転して転倒することも地震被害拡大に繋がります。
回転を抑えるためには柱の端部の接合部を強くする必要があります。
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