▼富山県黒部市におけるパッシブタウン第5期街区建築計画
▼世界が注目するカーボンニュートラルなまちづくりへの挑戦
2021年11月2日、富山県黒部市で、各専門分野の有識者が参加して座談会が開催されました。テーマは「パッシブタウン - 省エネ・創エネのその先へ カーボンニュートラルなまちづくりへの挑戦 -」です。
◎開催日:
2021年11月2日(火)14:00~16:00
◎開催場所:
YKK 50ビル(1F大会議室)※一部オンライン形式
◎登壇者:
東京大学大学院 宮城俊作 教授、東京理科大学 井上隆 名誉教授、山梨大学 飯山明裕 特任教授、富山県知事政策局 三牧純一郎 局長、早稲田大学 田辺新一 教授
◎司会:
窓研究所 真鍋純顧問
※所属・役職は座談会当時のものです
2011年の東日本大震災後の電力需給問題を受けてスタートした、富山県黒部市でYKK不動産が中心となって整備を進める「パッシブタウン」。このプロジェクトは、環境や自然をありのままに受け入れる「パッシブデザイン」を通じ、環境によりそい、風の流れや太陽、豊富な地下水といった自然エネルギーを活かした集合住宅を通じて、次世代のまちづくりを目指しています。
今回の座談会では、パッシブタウンの全体計画や2016年の第1・第2街区、2017年に竣工した第3街区の話を含めた前期街区の振り返り、23年春から着工となる第5期街区に取り組む意義 / 課題などが議論されました。
今回は、その座談会のポイントをまとめた冊子(PDF)をご紹介いたします。
◎冊子の目次
1.パッシブタウンとは
2.第5期街区計画概要
3.パネリスト/観客席からのコメント
・宮城俊作 さん(東京大学大学院 教授、ランドスケープアーキテクト・都市デザイナー)
・井上隆 さん(東京理科大学 名誉教授、パッシブデザイン性能評価員会 委員長)
・飯山明裕 さん(山梨大学 特任教授、燃料電池ナノ材料研究センター長)
・田辺新一 さん(早稲田大学 理工学術院 創造理工学部 建築学科 教授・工学博士、日本建築学会 会長)
・三牧純一郎 さん(富山県知事政策局長)
・八木繁和 さん(YKK AP株式会社 技術顧問、YKK不動産株式会社 取締役、前期街区パッシブデザイン性能研究部 会長)
・吉田讓 さん(新川森林組合 代表理事組合長)
・高井啓明 さん(株式会社竹中工務店 設計本部 プリンシパルエンジニア)
・真鍋純 さん(公益財団法人 窓研究所 顧問)
・吉田忠裕 さん(YKK不動産 代表取締役会長)
※所属・役職は座談会当時のものです
◎パッシブタウンとは
住空間の可能性を今までにない独自のアプローチで導き出し、持続可能な社会に貢献する。YKK不動産が富山県黒部市で進めている「パッシブタウン」が、新しい局面を迎えることになりました。
前半となる第1から3街区では高い外皮性能などで断熱性能を高めつつ、風や伏流水などの自然エネルギーを活用してサステナブルな住空間を探求してきました。
後半となる第4街区からは太陽光による「創エネ」に取り組み、第5期街区では季節を越えての「蓄エネ」にも挑戦。カーボンニュートラルの実現に向け、木造建築でパッシブデザインを追求していきます。
※当記事に添付した冊子PDFより抜粋
◎第5期街区計画概要
「まちづくり・住まいづくりを通じて、持続可能な社会に貢献すること」を目指してYKK不動産が取り組んできたパッシブタウンが、いよいよその歩みを第5期街区へと進めることになりました。
基本計画・基本設計(建築)には近代木造建築のパイオニアである Hermann Kaufmann(ヘルマン・カウフマン)氏を迎え、今後はカーボンニュートラルと再生可能エネルギーの可能性に挑んでいくことになります。
第1~3街区で得た知見やデータに基づくパッシブデザインをベースにしながら、水素エネルギー供給シス テム「Power to Gas(P2G)」を日本で初めて集合住宅に実装。春から秋にかけて太陽光発電で発生する余剰 電力を水素に変換して貯蔵し、冬の電力供給に利用する再生可能エネルギーのシーズンシフトに取り組みます。
太陽光による創エネと、Power to Gasによる季節を越えての蓄エネ、そして県産木材を利用した北陸地域では初となる木造中高層集合住宅。第5期街区を通じて目指すのは、カーボンニュートラルな社会と、グリー ンエネルギーによる自立したまちづくりを具現化することです。
※当記事に添付した冊子PDFより抜粋
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