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2025/01/23 08:00 - No.1465


全棟G2レベルの高性能住宅を展開(注目!!わが社の家づくり)


メディアレポート|注目!!わが社の家づくり
メディアレポート 編集部

2025/01/23 08:00 - No.1465

 


YKK AP株式会社が発行する建築業界情報誌「メディアレポート」の「注目!!わが社の家づくり」では、全国のビルダー様の取組みや家づくりに対する想いを紹介しています。
今回はメディアレポート 2025年1月号に掲載された辻木材様の記事をご紹介します。
※屋号・名前等、一部常用漢字を使用しています



(北海道北斗市)


全棟G2レベルの高性能住宅を展開
100年の歴史を踏まえ“住まいの町のお医者さん”へ

木材の仲卸からスタートし100年の歴史を持つ辻木材。4代目の辻将大社長はローコスト住宅から性能とデザインのバランスが取れた住宅へシフトするなど、次々と新たな取り組みを進める。


辻木材は1920年(大正9年)に木材の仲卸業者として創業、100年以上の歴史を持ちます。私が入社した時はローコストの注文住宅を展開していましたが、私はランニングコストがかからずに性能が高く長持ちする家、もっとデザイン性の高い家へとシフトしていきたいと考え、徐々に会社の仕組みそのものを変えてきました。

2017年にHEAT20のG1を踏まえ一次エネルギー消費量を30%削減する家を開発しました。坪単価+3万円で付加断熱仕様に、+4万円で第一種換気を搭載するものです。光熱費は月額平均1万3,000円程度と、当時のローコスト仕様の3万8,000円程度を大きく下回るものでしたが総額では120万〜200万円のアップ。「すごいね」とは言っていただけるものの受注は厳しかった。ランニングコストがかからないようにすることを強く押し出すためにはG2レベルで強い差別化を図らなければだめだと強く思いました。

創業100年を機にリブランディングを行い、「来夢(らいむ)ハウス」のブランドから「辻木材」の屋号を前面に押し出しました。そのシンボルとして建設したのが、フラッグシップとなるモデル「石川町モデルハウス」です。函館の気候風土にあわせ、快適な住まいの基本性能とトータルバランス、そしてデザインを両立したモデルです。外皮平均熱貫流率(UA値)0.23、相当隙間面積(C値)0.4で耐震等級は等級3。コロナ禍で参加が難しいとみられたオープニングイベントを完全予約制で開催、2日間で60組もの来場者がありました。来場者層は公務員、医療関係など外出規制が厳しい職種の方が多く、現在に至る大きなターニングポイントとなりました。



消費者目線に合せ分かりやすく伝える

現在、年間の引き渡し棟数は12〜15棟程度です。9割程度がSNSによる集客ですが、お客様の変化を踏まえて色々な工夫をしています。当初、お客様はSNSを見て自分である程度絞り込んでから問い合せしてきたように思いますが、今はSNSも数ある情報の内の1つでしかありません。さらにニーズも細分化しています。そんななか情報発信の仕方も変える必要があります。

例えば、以前は、見学会をやります、こんな家ですと掲載していました。そこに載せる家が魅力的であれば集客は良かった。しかし、今はSNSが飽和状態ですし、普通にみんながカッコ良い家を作っていますので差別化ができません。SNSのアピールの仕方が難しくなっているのです。差別化を図るために、私は建築系の学校を出たわけではなく、フランチャイズなどのグループに属したこともありません。基本的に独学です。しかし、作り手側として、もっと快適にできないか、もっと簡単にできないか、と毎日が勉強だと思って突き詰めてきました。

実は、自分たちがやってきたことを、まだまだ消費者目線でかみ砕いて伝えられていないのではないかと自省しています。例えば、お客様に「全棟G2レベルです」と言っても伝わりません。もっと消費者の目線に合せていく必要があると考えています。

可視化することが重要と考えサーモグラフィや気密測定器を自社で購入、測定することで提案に説得力を持たせています。さらに、先にはHEAT20のシステム認証を取得しました。HEAT20の考え方はUA値を出せばよいというものではありません。手続きに半年程度の時間がかかり、けっこう手間がかかりましたが、認証を取得したことで「本当のG2って知っていますか?」とお客様に説得力を持って説明できるようになりました。

住宅の性能を理解し、突き詰めていくことで色々な答えが出てきます。私は建物が好きで好きでしょうがない。もっとそれを伝えていきたいと考えています。


住まい全般に関して町のお医者さんのようになりたい

新築住宅を扱っているのですから、町のお医者さんのように何かあったら声がかかるようにならなければいけないと考えています。建てるかどうかは別にして、とりあえず1回は話を聞いておくか、みたいな感じですね。さらに新築だけでなく住まい全般に関して声をかけて頂ける存在になりたいと考えています。

大きなテーマの1つは空き家です。「実家イコール未来の空き家」という方程式が成り立つのであれば、そこにビジネスがあるだろうと考えています。高齢単独世帯は自分が死んだらこの家をどうしようと悩まれている人がいるのではないか。売ってお金になれば良いですがなかなかそうはいきません。墓じまいという言葉があるくらいですから家じまいがあってもいいですよね。また、実家の親が亡くなった方は突然、空き家を相続するわけです。

宅建免許に加え、今年、解体業の免許を取得しました。空き家を解体したいと思ってもどうすれば良いか分かりません。壊した後に更地として売る、駐車場にする、家を建てて住む、貸す、これらはすべて私たちができることです。その前段階として相続や遺品整理などの困りごともあるでしょう。今、社会福祉協議会や葬儀会社など関連する方々と色々と話をしています。地域に密着している企業が個別のニーズに合せて細々と動く、それは私たちの得意分野です。空き家の管理から解体、活用までを1社で担い、相談所のようなものが作れれば面白いと考えています。


※本記事は、YKK APより辻木材株式会社様に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。





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