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2017/10/20 08:51 - No.134


第6回 断熱改修の評価② 内窓と室内建具に課題


断熱改修の教科書 事例研究編
大菅 力

2017/10/20 08:51 - No.134

 
前回に引き続き、断熱改修の評価についてお伝えする。今回は断熱改修の改善点などについてまとめた。LDKから寝室までエアコン1台で暖房しているが、昨今の寒冷地型エアコンの性能は高く、電気代はこれまでの光熱費と同等以下で、厳寒期で月1万円弱で済んでいる。ガスコンロからIHに切り替えたことを併せて考えると、断熱の効果とエアコンの効率の高さが伺える。光熱費に関しては、照明器具をすべてLEDに変更したことも影響したと見られる。光熱費が安いため、夜間も暖房を運転しながら就寝している。エアコンは流し台の上部に設置されているキッチンの反対側に寝室がある。ここまでキッチンのエアコンで暖める意外だったのは、建て主が夏季の冷房も使用するようになったこと。北東北という立地から、これまで冷房を使用する習慣はなかったのだが、使ってみたら快適で手放せなくなったという。断熱性能がある程度高められたので、保冷性が発揮され、弱運転の時間が長く、不快な気流を感じずに済むことも、冷房を好むようになった一因だろう。逆に全体の断熱性能が高まったことで、弱点が目立つようになったのが室内建具。特に気になるのが室内建具からの漏気。ソファとの配置関係もあって、冷たい気流を感じるのだという。ここは娘がホームセンターでモヘヤを購入して取り付け、不快感を覚えない程度に抑えることができた。予算が合えばフラッシュの断熱戸を制作して取り付けるほうがよい。断熱改修により、写真左側の開き戸の隙間から気流が入ってくるようになったので、DIYでモヘアを付けたもう一点は内窓の結露。室温が既存の窓に伝わりにくくなるにで、既存のガラス面で結露する。結露水が窓枠から浸水して躯体を傷めるため、好ましいことではないが、この家は建て主の代までしか使わないという判断 ..
 
大菅 力
フリーランス

1967年東京生まれ。早稲田大学第二文学部中退後、木材業界雑誌の出版社を経て1994年株式会社建築知識(現 株式会社エクスナレッジ)入社。月刊「建築知識」、季刊「iA」などの建築、インテリア専門誌の編集長を務める。2010年退社。 現在フリーランスとして、季刊「リノベーションジャーナル」(新建新聞社刊)の編集長を務める。主な著作に「リフォーム 見積り+工事管理マニュアル」(建築資料研究社)、「世界で一番やさしい仕上材(内装編)」(エクスナレッジ)、「心地よい住まいの間取りがわかる本」(エクスナレッジ)などがある。

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