こんにちは。GW明け頃から、関東では日中の気温がぐんとあがってきました。この時期にサーモグラフィカメラを使う方、検討されている方から受ける質問があります。特に断熱性能の確認などにおいて、「春秋に使えますか?」という質問です。果たしてサーモグラフィカメラに季節は関係あるのか?をテーマに考えてみたいと思います。
まず季節との関連を考える前に、カメラ自体のおさらいから。サーモグラフィカメラって何でしょう?
サーモグラフィカメラを初めて持った方は、まず周りにいる方か、自分の手を見る方が多いですね。サーモグラフィカメラを使うと物体の表面の温度がわかります。表面の温度を見て、どうして断熱診断などの建築診断に使えるかというと・・表面温度は、裏面からの熱の伝わり方や、被写体の構造の影響も受けているからです。上図は家の断面図です。季節は夏、冷房ありという条件で考えますと、室内温度に対して外気温が高いという関係性になります。熱は高い方から低い方へ移動しますので、部屋の内側から壁の温度を見ると、断熱性能の低い箇所は外気の影響を受けて断熱材のあるところより高い温度に見えます。
下の図は断熱材のテストサンプルです。左が断熱材無し・右が断熱材入りです。(背面からハロゲンランプで加熱)写真のSP1とSP2の温度を比較してみると28.1℃、26.2℃でその差は1.9℃です。外気と内気の差が大きいほど温度差が出やすくなります。戸建ての内外の温度差が大きい夏や冬の方が測定環境としては条件がよいと言えます。春と秋について・・・は、次回の「初夏のサーモグラフィVol2」に続きます。
この続きはA-PLUGに会員登録して
読むことができます!
A-PLUGは工務店様・リフォーム店様などの
建築関係プロユーザー対象の会員制サイトです。