◆消費者庁が高齢者の転倒で注意喚起
◆死亡原因として交通事故の4倍に
10(テン)月10(トウ)日は「転倒予防の日」だが、消費者庁は「毎日が#転倒予防の日〜できることから転倒予防の取り組みを行いましょう〜」と注意喚起を行っている。
厚生労働省の「人口動態調査」によると、令和2年の65歳以上の不慮の事故による死亡者のうち、死因が「転倒・転落・墜落」による人は8851人であり、平成29年から4年連続して8800人前後が続いている。平成26〜28年は7000人前後であり、700〜800人程度増加したまま高止まりしている状況だ。
一方、交通事故による死亡者は、平成27年の3187人から一貫して減少を続け、令和2年は2199人。「転倒・転落・墜落」の死亡者は「交通事故」による死亡者の実に約4倍に達しているのである。
一方、厚生労働省の「国民生活基礎調査」(令和元年)によると、高齢者の介護が必要になった主な原因は、「骨折・転倒」が13.0%と、「認知症」、「脳血管疾患(脳卒中)」、「高齢による衰弱」についで4番めに多くなっている。
こうした転倒等の事故は住宅内で起きることが多い。消費者庁・独立行政法人国民生活センターには、令和3年3月末までの6年間で、65歳以上の高齢者の転倒事故情報が606件寄せられているが、このうちの約5割を占める299件が住宅で発生している。さらにこのうち75歳以上の後期高齢者が208件と多くを占めるのが特徴だ。
年齢が高くなるほど住宅内での転倒等の可能性が高まり、それが原因で介護が必要な状態に、場合によっては死亡にもつながる。転倒の主な原因は、加齢による身体機能と認知機能の低下、病気や運動不足などが指摘されているが、住宅内ではちょっとした工夫で転倒を防ぐことができる。
消費者庁ではチラシを作成し、「できることから転倒予防の取り組みを行いましょう」と、部屋の整理、適度な運動、危ないところの見える化を勧めている。特に住宅の中については、コードの配線は歩く動線を避ける、1〜2cmの段差はつまづきやすいのでスロープをつけるか目立たせて視認性を高める、といった工夫を例示している。
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2022.02」
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