リフォーム産業新聞、編集長の金子です。今回取り上げるリフォーム業界の最新トレンドは、「中古住宅×リフォーム」です。
私は10年以上もこの業界を取材して回っていますが、5年ほど前くらいからでしょうか、取材の中で「中古住宅のリフォームを始めた」という会社に出くわすことが増えてきました。
「中古住宅のリフォーム」といっても、具体的にどういうビジネスなのか、よく分からなかったので、経営者に聞いて回っていると、皆大体同じようなビジネスモデルだということに気がつきました。
ざっくり言うと、ユーザーの中古住宅探しを手伝ってあげる(仲介売買)、リフォームの相談にも乗ってあげる(設計、施工)、不動産購入費用とリフォーム費用を1つの住宅ローンで組んであげる(ローン付保サポート)、この3つを一度に提供するビジネスモデルでした。
すごくわかりやすく言うと、不動産屋さんとリフォーム屋さんを融合させたようなビジネスですね。
比較的多くの実績がある具体的な企業名を挙げるとリノベる、WAKUWAKU、ウィル、不動産仲介SHOPナカジツなどがあります。是非リフォーム産業新聞のサイトから企業名を検索してみてください。どんなモデルか詳細に買いてあります。
これらは斬新なビジネスモデルだと思いました。というのは、不動産屋さんは不動産に詳しくてもリフォームは得意でない。リフォーム屋さんはリフォームに強いけど、不動産のことはよく分からない。
同じ家を扱う産業にいるにもかかわらず、お互い別のビジネスをしているという感覚が一般的なのではないでしょうか。それではユーザーは困るわけです。不動産屋さんに相談に行ったら、目一杯高い中古住宅を買わされてしまい、リフォーム予算がなくなってしまった、なんてことがあり得るわけです。
だからこそ「うちは不動産探しも、リフォームも提案します!」というサービスは意外で、珍しいビジネスモデルなわけです。
ではなぜ、こんなサービスが次々と登場してきているのか。消費者の夢のマイホーム像が変わってきたからなんですね。具体的に言うと、新築戸建てを諦めた人が増えてきた。なかなか給与が増えず、経済の先行きもよく分からない。そんな中で目一杯住宅ローンを組んで、新築戸建てを買うことはリスクなわけです。
今の若い人は非常に堅実な消費をします。だから、何が何でも新築戸建て、ではないんです。もっと安くて、お手頃にマイホームを手に入れられないかなと思っているわけです。
そのイメージにぴったりと合うのが、中古物件を買って、好きにリフォームして住むことです。だから、中古住宅のリフォームビジネスを手掛ける企業が積極的に打ち出すのは「新築の半分で理想の家が手に入る!」といった経済的メリットなんです。
当然中古住宅は新築に比べて安いですから、リフォーム費がかかったとしても、総額ではより安くマイホームを手に入れられるわけです。
だから、このビジネスのターゲットは主に次の3つです。3つとは、1新築住宅を買う予算がない人、2新築住宅は買えるけど節約したい人、3中古住宅を買って自由にリノベしたい人。
昨年10月に増税、今は新型コロナ、ますます経済の先行きが不透明になってきた今、中古住宅はより一層注目されてくると思います。
新潟にある、某工務店さんは新築で9億円ほど売り上げており、地元でやり手の工務店です。その会社がいよいよ事業拡大だということで作ったお店の名前は何だと思いますか。「中古住宅×リノベーション専門店」という名前のお店です。
新築工務店が中古住宅リフォームのお店を出す、これが今という時代の住宅ビジネスなんです。新築戸建てを買う人ばかりじゃないよね、中古住宅を買ってリフォームがいい人だっているよね、そのどちらにも対応できるべきだよね、というのが、今必要な感覚だと思うんです。
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