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2021/09/30 08:00 - No.956


第3回 高断熱×耐震で実現|さぬき安心あんぜん住宅


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戸建性能向上リノベーション ~事例から学ぶ設計ノウハウ
A-PLUG 事務局

2021/09/30 08:00 - No.956

 


◆はじめに

当連載は「戸建性能向上リノベーション ~事例から学ぶ設計ノウハウ」と題し、実際の施工事例をもとに、専門知識・技術の習得を図ることを目的とした記事となります。

今回は、香川県丸亀市の閑静な住宅地に建つ、築18年の木造住宅のリノベーション事例です。


◆施工事例(本文)

築18 年の木造住宅をシニア世代の終の棲家にリノベーション。断熱・耐震性能を向上させ、大きな吹き抜けをもつゆとりの住まいに生まれ変わった。

事業主=住空間設計

設計施工=住空間設計


香川県丸亀市の閑静な住宅地に建つ、築18年の木造住宅のリノベーション事例。

子育てを終えて家族構成が変わったことで、夫婦2人が暮らしやすい住まいへとリノベーションすることになった。断熱や耐震などの性能向上にこだわり、さらに将来にわたって住宅価値を持続させるためにメンテナンスのしやすい家を目指した。

間取りの最大の特徴は1階に広いLDK を設けたこと。玄関の位置を変え、既存の8畳間とキッチンの間の壁を取り払い、ワンルーム化することで2間半×3間半のスペースを確保した。さらに2階の子供部屋の床を抜いて1階のLDK とつなぎ、開放性を強調した。


既存の建物:廊下を挟んでLDKの反対側は二間続きの和室になっていた既存のLDK(左)
アーチ型の開口部の奥がキッチンになっている(右)


改修後:ダイニングの上部が大きな吹き抜けになっている(左)
ダイニングからリビングを見る(右)

このLDK の長手方向の耐震性を高めるために採用したのが耐震フレーム「フレームⅡ」。基礎に柱脚を固定する門型タイプを採用した。これにより、耐震性を確保しながら間仕切り壁が少ない開放的の空間が可能になっている。

フレームⅡ」を採用したのは、設計者が「神戸 六甲の家」を見学したことがきっかけだという。なお、2階の間取りについては、そのほかの部分は既存のままとした。 

この住宅は築18年と比較的築年数が浅く、外壁は通気工法を採用していたこともあり、耐力壁として外周壁に張られたダイライトの状態も健全であった。そこで、既存のダイライトを生かしつつ、内壁に新たに構造用合板を張って壁量を増やし、偏心率を是正した。その上で柱頭柱脚金物を追加することで耐震性能を高めた。


門型の耐震フレームであるフレームⅡを1階中央に設置して開放的な間取りを実現


フレームⅡの柱頭。金物とアラミド繊維でフレームを一体化(左)
フレームⅡの柱脚部。金物で基礎に緊結している(右)


耐震フレームの横架材中央部。金物でつないで一体化する

さらにこの住宅では制震装置を導入した。制震装置は地震時に建物に掛かる水平力を吸収し、熱エネルギーなどに変えることで、揺れを少なくする。

南海トラフ地震など巨大地震に際し、柱の仕口で金物が破断する可能性があり、その危険性を回避するために設置した。耐力には換算できないが余力として採用している。


制震部材の詳細。オイルダンパーで地震時の水平力を吸収する(左)
耐震改修の一環として制震工法を採用(右)

これらにより、上部構造評点は既存の0・47 → 1・52に向上した。これは耐震等級3に相当する。


◆25年間の維持管理契約

断熱改修に際しては、窓に樹脂窓APW330APW430 を併用した。2階外壁は剥がさずに塗り替えだけだったため、2階の窓は窓周りだけ外壁材をめくって窓を取り替えた。


既存外壁を生かしながら開口部を交換するために周辺の仕上げ材を切り欠いた(左)
切り欠いた部分の詳細(右)

足元の断熱は基礎断熱とした。断熱材には気密性の保持しやすさ、単価と手間代、費用対効果を重視して、現場発泡ウレタンを用いた。基礎立ち上がり内側に75㎜厚、折り返し部分に50㎜厚を吹き付けた。

壁と天井の断熱はロックウールを使用。壁の既存を生かした部分が50㎜厚、入れ直したところが100㎜厚とした。天井は既存を生かした部分が75㎜厚、2 階吹き抜けが既存の75㎜厚に140㎜厚を加えた。上記以外の天井は既存の75㎜厚に200㎜厚を加えた。


天井断熱はロックウールを採用。勾配天井は既存75㎜厚に加えて140㎜厚を付加した(左上)
基礎断熱には現場発泡ウレタンを使用(左下)
壁の断熱にはロックウール100㎜厚を基本としている(右)

これらにより、既存のUA 値0・95W/㎡ ・K → 0・41W/㎡・Kと大幅に向上したこれはHEAT20のG2に相当する。

この住宅は、さぬき安心あんぜん住宅普及協議会が手掛ける中古住宅の評価制度である「安心あんぜん住宅」に認定されている。引き渡しから25年間インスペクションを通じて同協議会が管理する仕組みだ。香川県は全国でも空き家率が高い地域だが、優良ストックを増やしていく試みとしても注目される。

◆改修後の平面



◆改修後の矩計図


【建物概要】
建設地:香川県丸亀市 
既存竣工:平成13 年 
構造:木造2 階建て  
敷地面積:213.79㎡ 
延べ床面積:173.28㎡

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