【Renovation Journal特別編集より】● 「神戸 六甲の家」 _既存建物の魅力を残した性能向上の取り組み古い洋館の空間構成を生かしながら開放性の高い間取りに改修。劣化部分を機能回復させつつ基本性能を高める手法を見ていく。1階のLDKは吹き抜けをもつワンルーム空間。写真右側の柱・梁は木質耐震フレームのフレームⅡ六甲の静かな住宅地に建つ築37年の住宅。この建物の外観や空間構成を生かしながら、開放的で機能的な空間にリノベーションしたのが本事例だ。敷地は旗竿敷地の斜面地。そのため玄関ホールは1階と2階の中間に位置し、1・2階へのアクセスは階段で上がり降りをするようになっている。この独自のフロア構成を生かしながら2階の床を一部撤去して吹き抜けを設け、さらに1階の間仕切り壁を極力減らしてLDK を広々としたワンルームにまとめている。木質耐震フレームのフレームⅡを各所に用いることで、壁が少なく窓の大きな空間が可能になっている。建物全体を見る。手前の飛び出している部分が玄関■ 改修後の矩計【建物概要】 建設地:兵庫県神戸市 既存竣工:昭和56 年4月 構造:木造2 階建て 敷地面積:209.84㎡ 延べ床面積:182.7㎡■ 改修後の平面既存の建物の全景。建物のフォルムは改修後とほぼ同じ既存の1階リビング。大きな窓と暖炉を備えていた 改修に際しては、構造躯体の補修が問題となった。建物を解体したところ、一面の壁が長年の漏水で腐食が進んでいた。漏水の原因は換気口近くの基礎が折れたこと。不同沈下の影響だ。基礎が折れたことで直上にある柱が下がり、さらにその上に乗る胴差しも下がったためモルタル外壁にクラックが生じ、漏水が生じた。解体後の様子。一面の外壁が漏水で激しく傷んでいた基礎が折れて ..
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