解説に用いた建物の屋根伏図。太陽光発電システムを6.8kW載せている。補助交付には躯体性能を高めることが最優先だが、太陽光のkWも評価に影響するので屋根形状などの検討も重要だ(設計施工:菅沼建築設計)前回は実施計画書の提出の注意点と、提出後の変更について述べた。今回は確実に補助金を獲得するための加点制度の利用について説明する。書類送付後の流れとしては、SIIにおいて工務店などから送られてきた実施計画書などの書類をもとに補助金の対象とするかどうかを審査する。審査は、太陽光発電システムなどの創エネルギー量を除いた年間の一次エネルギー消費削減率で各物件を評価していく。そして、各回の公募の予算内で評価の高い事例から補助対象として採択する。昨年末に発表された「ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業調査発表会2016」によると、平成28年度補助制度(第1回~6回)の公募数は9993件に上り、そのうち補助金が交付されたのは6356件。つまり3割以上の物件が補助の対象から外れている。前述したように、補助金は評価の高い順に決定していくので、ZEHの性能基準ぎりぎりでは採択されなくなっているということだ。今年に入ってZEHの認知度はますます高まっているので、次年度の補助金獲得の競争はさらに厳しくなるだろう。 ZEHの補助金交付件数とその内訳「ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業調査発表会2016」より ■加点制度の活用そうしたなか注目されるのが「加点制度」だ。以下の①〜③の要素を備えた住宅は、補助金の対象となるがどうかを評価する際に加点が得られるのだ。 評価における加点要素①交付要件よりUA値を20%以上強化した住宅は削減率10ポイント加点②HEMS採用の住宅は削減率5ポイント加点③建築物省エ ..
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