◆定着する「新築・中古にこだわらない」
◆コロナ禍で既存の"早く入居できる"もポイントに
住宅取得において「新築住宅にこだわらない」層が増加、中古住宅を視野に入れての家探しが定着しつつある状況が、不動産流通経営協会の「第26回(2021年度)不動産流通業に関する消費者動向調査」で浮き彫りになった。
同調査は、首都圏で2020年4月~2021年3月末までに住宅を購入(引き渡し)した世帯に調査したもの。
新築住宅を購入した人のうち「新築のみ」を探した人は45.3%(前年比1.1ポイント減)と微減になったが、「主に新築」は36.8%(同4.1ポイント増)、「新築・既存にこだわらない」は17.3%(同1.9ポイント減)であり、合計54.1%と昨年に引き続き5割を超えた。
一方、既存住宅を購入した人については「既存のみ」を探した人は24.1%(同0.6ポイント減)、「主に既存」は25.7%(同2.0ポイント減)と、ともに4人に一人。合計49.8%と、過去最高であった前年の52.4%からは減少したとはいえ半数を占めている。また、「新築・既存にはこだわらなかった」は47.0%と同2.7ポイントのアップとなった。
既存住宅を購入した理由は、「手頃な価格だった」、「希望エリアの物件だった」の2項目が69.7%とトップ。続く「良質な物件であった」が51.0%と同4ポイント増と大きく増加した。このトップ3は前年と変わらず、価格と立地はもちろん、住宅の質が購入の決め手となっているようだ。
4位以降は「新築にはこだわらない」、「早く入居できるから」、「リフォームするつもりだった」、「いずれ住み替える」の順。これらのなかで特に注目されるのが「早く入居できるから」で、同7.9ポイントものアップとなった。
別の設問で、「新型コロナが住宅に影響した」との回答が全体の3割に達し、そのうち54%が「当初予定より購入時期を早くした」と回答しており、コロナ禍で「早く入居できること」も既存住宅の魅力の一つとして訴求したようだ。
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