◆拡大するリバースモーゲージ
◆貸出額は1577億円、7.6%増に
(独)住宅金融支援機構が、住宅ローンを取り扱う金融機関を対象に「2021年度住宅ローン貸出動向調査」(回答272機関)を行った。
同調査によると、リバースモーゲージの取り扱いで回答のあった80金融機関で、その貸出額が年々増加しており、2020年貸出実績の合計は前年度比7.6%増の1577億円となり、市場が着実に広がっていることが分かる。
リバースモーゲージは、自宅とその敷地を担保にして金融機関などから融資を受ける金融商品。毎月の支払は利息のみで、契約満期または契約者死亡時に元金を一括返済するローンで、現金で返却できない場合は自宅と敷地を売却して返済に充てる。
リバースモーゲージの取り扱いで回答があった金融機関は前年度の76から4機関増えて80機関。
金融機関ごとの残高の分布をみると「500万円以下」が最も多く、次いで「5000万円以下」、「1億円超」が多かった。分布のバランスは、ほぼ前年度と同様だが、「500万円以下」が微減し(前年比▲4.1%)、500万円以上の項目がそれぞれ微増している。
資金使途については、「リフォーム資金」が一番多く85.7%で、「自宅の建設・購入資金」(82.1%)、「既存住宅ローン借換資金」(81.0)と続く。自宅という資産を活用し、シニアライフのための住み替え・建て替え、リフォームなどが実施されているようだ。
一方、金融機関がリバースモーゲージを取り扱う上での課題はいまだ残されている。
住宅の住み替え・建て替えを希望する高齢者の選択肢として、市場が広がりつつあるリバースモーゲージだが、金融機関の課題としては、「高齢者及び相続人への商品説明」が75.9%で過去の調査に続いて高い割合を保っている。
次いで、「長生きリスク(長生きすることにより担保評価額分の融資限度額を超過するリスク)の管理」が多い。また、担保となる不動産価値において土地を重視する日本では、地価下落リスクの懸念も強い。。
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