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2017/06/22 10:16 - No.95


第10回 窓廻りは真空ペアガラスか内窓か


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断熱改修の教科書
大菅 力

2017/06/22 10:16 - No.95

 

床に引き続き、窓の改修方法について解説する。

窓廻りは最も熱が逃げる部位だ。既存の建物は築20~30年の建物はアルミサッシにシングルガラスが多い。外壁をめくらずに断熱性能を上げる方法としては、内窓を用いるやり方がある。内窓は2重サッシになるため、そのことが一部で嫌われている。また、予算が厳しい場合、内窓を使えない場合もある。

そうした際にはガラスのみ複層ガラスに変えるという方法もあるが、ガラスの総厚さは12㎜厚以上あり、既存の単板ガラスと交換するにはアタッチメントが必要になる。アタッチメントの泣きどころは、既存の網戸が使えなくなることがある点と防火認定品がないという点だ。


真空ガラスの特徴

こうした弱点を補うのが真空ガラスだ。これは2枚のガラスの間に0.2㎜という薄い真空層を設け、厚みを増さずに高断熱化を図った複層ガラス。構成はLow-Eガラス3㎜厚+真空層0.2㎜厚+フロート板ガラス3㎜厚となり、総厚みは6.2㎜。単板ガラスと同等の厚みのため、既存のサッシにそのまま嵌め換えが可能。また、内窓で対応できない台形出窓など変形の窓にも嵌められる。


現場に搬入された真空ガラス(写真提供:山善工務店[以下、同じ])


真空ガラスの熱貫流率は1.4W/㎡Kと通常の複層ガラスよりも高いことから、高性能化や結露防止も図りやすい。ただし、サッシは既存のまま(ほとんどのケースはアルミ)なので、この部分の結露は改善できない。比較的最近の住宅であれば、樹脂製のヒートブレーカーで熱橋防止を図った断熱アルミサッシが用いられており、そうしたサッシであれば真空ガラスの交換で効果を得やすい。製造可能な最大寸法は2400×1500㎜なので、大抵の窓には適用できる。


真空ガラスに交換した窓。施工は簡便だが、温熱環境は大きく変わる


性能重視なら内窓がベター

古いサッシは気密を重視しておらず、加えて気密ゴムの劣化などがあることから、気密性に難がある。ガラスのみ交換する方法は、サッシがそのままなので気密性が改善できない。そこで、2重の中空層をもった断熱ブラインド「ハニカムサーモスクリーン」を併用する。断熱レールを用いた仕様にすると、窓枠とスクリーンの隙間を詰められ、窓廻りの気密性をある程度補える。


真空ガラスに変えた上で、ハニカムサーモスクリーンを室内側に取り付けた事例。レールを用いた仕様にすることで気密性能を補う


性能重視でサッシの結露対策まで考えるのであれば、内窓を用いるのがベターだ。気密性を補うという意味からも内窓にメリットがある。また、遮音性も高まる。

大まかな使い分け方としては、①結露の問題が少なく、開け閉めが頻繁な窓、②変形の窓、については真空ガラス、それ以外は内窓ということになりそうだ。





第1回 断熱改修の可能性

第2回 部分断熱の優先順位

第3回 300万円で「次世代レベル」に改修する

第4回 小屋裏で作業できるかどうかで費用が変わる

第5回 気流止めのポイント

第6回 気流止めに用いる材料

第7回 天井断熱は下屋の扱いに注意

第8回 天井断熱にはブローイングが向いている

第9回 床断熱は和室の気密にも注意する

第10回 窓廻りは真空ペアガラスか内窓か

 
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大菅 力さん
フリーランス

1967年東京生まれ。早稲田大学第二文学部中退後、木材業界雑誌の出版社を経て1994年株式会社建築知識(現 株式会社エクスナレッジ)入社。月刊「建築知識」、季刊「iA」などの建築、インテリア専門誌の編集長を務める。2010年退社。 現在フリーランスとして、季刊「リノベーションジャーナル」(新建新聞社刊)の編集長を務める。主な著作に「リフォーム 見積り+工事管理マニュアル」(建築資料研究社)、「世界で一番やさしい仕上材(内装編)」(エクスナレッジ)、「心地よい住まいの間取りがわかる本」(エクスナレッジ)などがある。

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