◆住宅リフォームの市場トレンド
◆2022年は6.5兆~7兆円に
矢野経済研究所が住宅リフォーム市場の短期的な市場トレンド調査を実施し、市場予測をまとめた。
新型コロナウイルスによる外出自粛の影響もあり、2020年秋以降リフォーム関連支出が増加、市場は拡大傾向にある。
同調査によると、2021年(1~12月)の住宅リフォームの市場規模は、6兆9011億円と順調に拡大すると予測する。新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が度々発出されるなど、外出自粛がある意味で「通常生活」となるなかで、2020年の秋口以降にリフォーム関連支出が増加、市場が拡大した。同調査では、家族との時間の充実を図ったり、テレワークなど在宅勤務への対応により、コロナ禍前と比べて「住環境」に対する関心の高まりがリフォームをはじめとする住宅・住環境関連への再投資に寄与した、と要因を分析している。
第4四半期(10~12月)の住宅リフォーム市場規模は1兆9009億円(速報値)で前年同期比からは9.7%の減少だが、前年同期が過去20年で最も高い水準で推移していたため致し方がないともいえる。2020年秋口からの勢いはやや鈍化しているが、それでも、過去10年の第4四半期の市場規模を上回る水準であり、引き続き好調を維持していると考えられる。ただ、「設備修繕・維持関連」が同8.6%と増加する半面、「家具・インテリア」や「増改築工事」は前年を下回る見込みだ。
2022年は、感染状況が落ち着きを見せた場合は6.5兆円と見込む。レジャー・旅行・飲食などの支出が増え、リフォーム関連支出の低迷を予想する。一方で、プラス要因として、団塊ジュニア世代の持ち家がリフォーム適齢期・需要期に差し掛かっており、この顕在化によっては7.0兆円の可能性もあると指摘する。
建材費・工事費の上昇も市場規模にはプラス要因として寄与するが、住宅リフォーム需要を鈍らせる要因ともなりかねないため、動向には注意が必要だ。
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YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2022.07」
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