◆7割ができていない資産の防災
「重要書類の管理・保管」が盲点に
かんぽ生命保険が実施した「資産の防災に関する調査」によると、普段から防災対策を意識している人でも、「重要書類の管理や保管の工夫」といった「資産の防災」は盲点になっていることが分かった。
全国の20〜70代の男女1329名を対象に行った調査で、「あなたは、防災対策ができていると思いますか」という設問に「そう思う」、「ややそう思う」と答えた人の割合は27・5%であった。
「防災対策ができている人」を対象に「あなたが行っている防災対策」について聞いたところ、「非常食、飲料の備蓄」が最も多く、7割を超える。また、「非常用持ち出しバッグの準備」や「家具の固定、置き方の工夫」も半数を超えた。
その一方で、通帳やキャッシュカード、年金手帳、保険証券、投資関連書類、不動産関連書類など「重要書類の管理や保管の工夫」が「できている」と回答した人は29・8%と3割に満たない。つまり、防災対策ができている人でも、7割以上が資産の把握や手続きのために必要となる重要書類の防災=”資産の防災“ができていないということである。
「重要書類の管理、紛失対策」を行っている人に、その対策について聞くと、「たんすや引き出しなど、固定の場所に保管」している人が多い。しかし、このような保管方法では、災害時に家事や津波などですぐにアクセスできなくなる可能性が高い。
実際、「あなたは資産に関わる重要書類の管理に自信がありますか」という設問に対して、「自信がない」(自信がない+あまり自信がない)人は約72%に上っている。
調査は、インターネット上で情報を確認できるように「電子化」されていない資産を金額に換算すると、国内で560兆円にも上ると推定している。実際に、資産に関わる重要書類の管理に自信があると答えた人は27・9%と、資産の防災は見落としがちなようだ。エリア別でみると、特に東北地方で「自信がない」と回答した人が多く79・8%に達する。東北地方では、ほかのエリアに比べて、重要書類を「たんすや引き出しなど、固定の場所に保管」すると答えた人が多く、書類管理の自信度と、保管方法には関連性があるのかもしれないとまとめている。