YKK AP株式会社が発行する建築業界情報紙「メディアレポート」では、毎月様々な情報をお届け。「クローズアップ」記事では国や企業・シンクタンク等の最新の調査から見えてくる業界動向や住まい手の嗜好・傾向などをご紹介しています。その中で今回は「令和5年度の住宅着工は微減の85万戸に」と題した記事をご紹介します。
今回ご紹介するのは「メディアレポート 2023.8」に掲載された記事です。冊子PDFは下記よりご覧ください。
⇒ 冊子PDFを閲覧する
令和5年度の住宅着工は微減の85万戸に
持家の連続減、貸家と分譲にも一服感
国土交通省の「令和4年度の新設住宅着工統計」によると、4年度の新設住宅着工戸数は全体で86万828戸、前年度比0.6%減と昨年度の増加から減少に転じた。
利用関係別でみると、持家が減少、貸家と分譲が増加となった。
持家は24万8,132戸、同11.8%減と2ケタの減少で、前年度の増加から再び減少に転じた。
貸家は34万7,427戸、同5.0%増と2年連続の増加と好調を続けた。
また、分譲住宅は25万9,549戸、同4.5%増と2年連続の増加となった。内訳は、マンションが11万3,900戸、同10.8%増と4年ぶりに大幅な増加となったが、一戸建住宅は14万4,321戸、同0.1%増と、2年連続であるもののほぼ横ばいである。
足元の状況をみると、持家は令和5年4月まで17カ月連続の減少、貸家は3月まで25カ月連続の増加を続けていたが4月に前年同月比2.8%減と減少に転じた。分譲住宅は同4月で3カ月連続の減少で、マンションが5カ月ぶりに減少に転じ、一戸建住宅も6カ月連続の減少と、利用関係別すべてで減少に転じた。特に4月の着工は季節調整済年率換算で77万1,000戸とついに80万戸を切った。
それでは令和5年度の住宅着工はどのように推移していくのであろうか。
建設経済研究所の「建設経済モデルによる建設投資の見通し(2023年4月)」では、23年度の住宅着工戸数を85.0万戸、同0.4%減と引き続き減少するとみる。建設コストの高止まり、住宅ローン金利の上昇懸念が影響し先行き不透明感が継続すると予測しているものだ。
内訳は、持家が住宅取得に対するマインド回復が厳しく慎重な動きが続くと想定し、同0.5%減の引き続き減少を予測。貸家は建設コストの高止まりや金利先高観の影響で伸び悩み、回復が一服して同0.2%減の微減。分譲住宅はマンションの大都市圏での底堅い需要を見込む一方で戸建の堅調さが一服し、全体として同0.9%減の微減と予測している。
[ご紹介]YKK AP 株式会社 発行「メディアレポート 2023.8」
メディアレポート(2023.8)のPDFを閲覧したい方はコチラから
メディアレポートのバックナンバー一覧はコチラから