◆広告づくりの“なんとなく”を解消しよう
みなさんは、広告制作をいつもどのように進めているでしょうか?
とりあえず見栄えの良さそうな他所の広告を参考にしてみたり、制作を外注したものの、思っていたものとちょっと違う感じの仕上がりになったり、そんなことはありませんか?
最近では、専門的なツールが無くてもある程度自在になんでもつくることができるので、広告も自社内で制作されているという方は多いと思います。
しかし、ご自身でつくりながらも、“よくわからないけど”“なんとなく”まとめてみた、というようなことがあるのではないでしょうか?
“なんとなく”でもそれなりにまとまって見えることもありますが……
この連載では、広告づくりにおける“なんとなく”を解消し、効果を理解しながら使えるちょっとしたテクニックについて、順を追ってご紹介していきます。
◆みなさん、広告は見ていますか?
ところでみなさんは、新聞の折込みチラシなどに日々くまなく目を通しているでしょうか?
きっとそんなことはなく、チラシの大半は一瞥もされることなくいつの間にか古紙回収の束にまとめられていることでしょう。
ですがそんな中からいくつかは、手に取って目を通すものもあると思います。
ではそのチラシは、広告として他より何が違っていたのでしょうか?
単に「たまたま探していた商品が載っていた」ということもあると思います。
それとは別に、例えば「見出しが目に飛び込んできた」とか、「情報のまとめ方がシンプルで見るべき箇所がわかりやすかった」、「紙面がにぎやかで楽しそうだった」など、広告のつくり自体が拾い上げに一役買っていた場合もあったのではないでしょうか?
立場を入れ替えて考えてみれば、御社のつくった広告もなかなか人目には留まりにくいと言えるかもしれません……
ですが、御社の提案する商品やサービスを探しているお客様は必ずいます。
そういう方々が、広告の山から手に取って目を通してくれる、そんな気を起こしてもらえる広告づくりを一緒に考えていきましょう。
広告のクオリティを向上させることは、御社の商品やサービスを探しておられるお客様と出会う機会を逃さないことに、きっとつながります。
◆広告づくりの基本は“思いやり”
良い広告というものは、“思いやり”が行き届いているものです。
それは隠し味のようなものなので、よく意識をしなければ見えてこないかもしれませんが、広告を眺めていて違和感なくスッと内容が頭に入ってくるようなとき、きっとあなたは広告制作者の“思いやり”に触れています。
そしてそれは、プロの広告制作者の洗練された腕前でしか実現できないような特別なことではありません。
例えばこのブログ記事の文章の並びを見たとき、文字のサイズや太さの違いによって本文と見出しが区別され、行間のスペースなどとも併せて、話題の区切りがわかりやすくなっていると思います。
こういうことも、ちょっとした“思いやり”と言えます。
「なんだ、そんなことか」と、そう思われることでしょう。
おそらくみなさんも日常の中でこれくらいの“思いやり”をそこかしこで発揮されているはずです。
その心配りを広告づくりにも応用し、いつでも立ち返る基本姿勢としていただきたいのです。
「どうしたらお客様に分かってもらえるだろう——」と、他者に想いを馳せてみましょう。
◆“目的”に対する適切な“手段”を選ぶために
広告には、「商品Aの情報を購買層B向けに発信したい」など、何らかの“目的”があり、それを達成するための“手段”として、媒体やデザインがあります。
“目的”も“手段”も場合に応じて多種多様で、検討の幅は限りなく存在するため、世の中には実に様々な広告が生み出されています。
こうしなければならない、という正解はありません。
そう書くと途方に暮れてしまいそうですが、大丈夫です!
“目的”を明確にして具体性を増していけば、“手段”は自ずと限定されて選択しやすくなるのです。
“目的”に対して、適切な“手段”が、“思いやり”に基づいて選択されていれば、広告は概ね成功です。
この連載は基本的には“手段”についてのご紹介が主となりますが、まずはその選択の前提となる“目的”をはっきりさせることについてお伝えしていこうと思っています。
次回以降もひきつづきよろしくお願いいたします。
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