こちらの連載では、現場監督がすぐに役立てることのできる木造住宅の品質管理ノウハウをご紹介します。全12回の連載では「構造躯体工事」にテーマを絞り、役割と目的、判断基準、現場事例、回避方法、対処方法に分けて解説を行います。
連載第8回目となる今回は、「筋かいプレートと他の金物が干渉しない」について解説します。
役割と目的
筋かい耐力壁
▶ 木造軸組工法にて柱と柱の間に斜めに取り付けた補強材(筋かい)を用いた耐力壁です。地震等の横揺れに抵抗できるようバランスよく配置し、筋かいと筋かいプレートの固定で耐力を確保します。
筋かいプレート
▶ 柱と筋かいを接合する金物です。
耐力壁として必要な耐力に合致する筋かいプレートを“メーカー基準通り"に取り付けることが重要となります。取り付け方が悪かったり、間違えたりすると設計計画通りの耐力を確保することができません。
筋かいプレートの固定において、他の金物と干渉したまま施工されている物件が多く見受けられます。今回は、取り付け状況を確認し必要な耐力を確保する項目となります。
チェック基準
図のように筋かいプレートが筋かいと柱に取り付けられている施工状態で他の金物と干渉していないかを確認します。 柱と筋かいの接合部には、設計図書で指定された倍率を確保できる筋かいプレートを基準通りに取付けます。
不備事例
ケース1 | 設計時の検討不足 |
不備要因
● 設計時にホールダウンアンカーボルトと筋かいプレートの位置及び高さを考慮していなかったため現場施工時に干渉回避の対応が出来なくなってしまった。
ケース2 | 設計時の検討不足 |
不備要因
● 柱金物が付くことを忘れていて、後から施工しようと思ったが筋かいプレートが干渉し取り付けることができなかった。
回避方法 不備を起こさないようにする回避方法(参考例)
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1968年2月生まれ。1990年大阪学院大学経済学部卒業後、小堀住研(株)(現:(株)ヤマダホームズ)、 そして建材商社を経て、2006年に(株)NEXT STAGEを創業。 民間でいち早く第三者検査事業をスタートさせ関西を中心に普及させてきたが、本質的な技術者の人財化や 品質向上への仕組みにギャップを感じ、2013年には、業界初の施工品質監査ナレッジマネジメント体系を業界に提唱し、 「監査」という独自の手法を用いたPDCAサービスを展開する。 現在では全国8拠点、800社を超えるビルダーがサービスを導入し、2020年には建築技術に特化した 学習環境プラットフォーム事業を本格化させ、2021年8月より、これまで蓄積してきたテクニカルビックデータを駆使し、 誰もが参入できなかったデータ&アナリティクス事業を実現させ、これからの住宅価値を変えるエッセンシャルな建設DXを 推進する。